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【岩手日報 論説】 放送の「公平性」 政治が判断することか


【岩手日報】<論説>
■放送法は、戦時中の言論弾圧の反省の中から生まれた 


 放送法が規定する「政治的公平」をめぐる政府、与党の見解が議論を呼んでいる。

 発端は高市早苗総務相の委員会答弁。安倍政権に批判的とされる各局看板キャスターの相次ぐ番組降板に絡め、野党議員から「電波停止はあり得るか」と問われ「事実に照らし、その時の総務相が判断する」と可能性を認めた。

 高市氏は放送法を「単なる倫理規定ではなく法規範性を持つ」と指摘。違反すれば当然、電波法が定める停波処分も考えられる-との立場だ。

 民主党など野党側は、放送法は罰則を伴わない倫理規定と主張。憲法が保障する「表現の自由」を脅かすなどと批判している。

 ところが民主党も、政権にあった2010年11月の委員会答弁で、当時の総務副大臣が現政権と同様の認識を示していることを高市氏が指摘した。規定に照らせば、確かに政府、与党の見解を誤りと切り捨てるのは難しい。つまるところ時の政府の判断で、放送事業者が処分を受ける可能性があるのが現状だ。

 こうなると、問題は今の政権にとどまらない。こうした制度解釈が民主主義の維持、発展に有用かどうか、厳しく問われるべきだろう。

 放送法は第4条1項で、政治的公平をはじめ「公安及び善良な風俗を害しない」「報道は事実をまげない」など、放送内容に関わる原則を規定している。

 一方、第1条では放送の不偏不党、真実と自律を保障することで「表現の自由を確保する」と、この法律の目的をうたう。目的が「表現の自由の確保」である以上、第4条を倫理規定と解さなければ逆に「自由」を阻害する。

 法規範とすれば権力が、本来的に「自由」であるべき表現内容に介入し得るからであり、NHKと民放連による第三者機関放送倫理・番組向上機構(BPO)が政府、与党の制度解釈を強く警戒し、批判するゆえんだ。………(2016年2月18日)<記事全文>

2016/02/18 11:37

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