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【愛媛新聞 社説】 国会憲法論戦 前のめりな首相の姿勢危惧する

【愛媛新聞】<社説>
■「改憲ありき」の政権と自民党に異を唱えたい 

 改憲の「本丸」への熱を帯びた言及を、強く危惧する。


 安倍晋三首相が先週の衆院予算委員会で、「戦力の不保持」を定めた憲法9条2項を変える必要性を繰り返し訴えた。安全保障関連法の国会審議のときの抑えた物言いから一転、本音を隠そうともしない前のめりな姿勢は、拙速な改憲に慎重な国民の意識と乖離(かいり)していよう。


 「改憲ありき」の政権と自民党に異を唱えたい。憲法は国民のものだという当たり前の事実に鑑みれば、国民的議論を丁寧に積み上げる過程こそが重要なのだ。主張の押し付けは許されないと肝に銘じる必要がある。


 首相は「7割の憲法学者が自衛隊に憲法違反の疑いを持っている」ことを理由に挙げたが、「ご都合主義」の批判は免れない。安保関連法は違憲とする多くの憲法学者の主張を、「学者と政治家は役割や責任が違う」と一顧だにしなかったのは誰だったか。学者の見解を改憲の根拠とするのなら、憲法解釈の変更により集団的自衛権行使を容認した閣議決定と、安保関連法を撤回するのが当然だ。


 与野党双方に冷静な議論を求めたい。特に、首相の一部野党に対する挑発的な態度は目に余る。安倍政権下の改憲に反対する民主党を「思考停止だ」「弱々しい」と非難し、「皆さんのように何の挑戦もしなければ世の中は全く変わらない」とまくし立てた。感情的な言葉の応酬は国民に響くことはないと、真摯(しんし)に省みなければならない。


 自民の憲法改正草案は9条に自衛権を明記し、「国防軍」の保持をうたう。首相は「参院選で9条改正を訴えるか」と問われ、「すでにこのことを掲げながら選挙を戦い大勝した」と、国民の理解を得たかのような口ぶりだ。が、2014年衆院選の自民公約には「国民の理解を得つつ改正を目指す」という漠然とした数行しかなく、演説などでもほとんど触れられなかった。争点隠しとの批判を、よもや忘れてはいまい。


 9条に限らず、改憲の機運が高まっているとは言い難い。共同通信が先月末に行った全国世論調査では、参院選後の改憲に「反対」が50.3%、「賛成」は37.5%だった。改憲の議論が急速に進むことに、国民の多くが警戒感を抱く現状から目を背けてはなるまい。 ………(2016年2月9日)<記事全文>

2016/02/09 10:38

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