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【DNA鑑定】不透明さ指弾した判決だ

【山陽新聞】<社説>
■捜査する側が鑑定試料を恣意(しい)的に利用したとすれば由々しきことである 


 強姦(ごうかん)罪に問われ一審で実刑判決を受けた鹿児島市の男性被告に、福岡高裁宮崎支部は逆転無罪を言い渡した。判決は警察・検察によるDNA鑑定の不透明さと捜査のあり方を強く戒めるものとなった。当局の徹底した検証と説明が求められる。

 被告は2012年10月、同市内で当時17歳だった女性に暴行したとして起訴された。一審の鹿児島地裁は「女性の胸に付着した唾液が被告のDNA型と一致した」と指摘。さらに女性から検出され、鹿児島県警科学捜査研究所(科捜研)が「微量で鑑定不能」とした精液についても、「存在することが被害証言を裏付ける」とし、被告に懲役4年の実刑判決を言い渡した。

 逆転無罪へと動かしたのは控訴審で行われた再鑑定だった。鑑定不能とされた精液から、被告とは別人のDNA型が検出されたからだ。高裁判決は「女性の証言は客観的な証拠と整合せず、信用できない」との判断を示した。唾液については、被告と女性の何らかの接触を認めた。

 判決から浮かんでくる捜査当局の鑑定への取り組み姿勢には、驚きと疑問を覚える。科捜研職員は鑑定に使用したDNA溶液の残りを全て廃棄した。作成した鑑定検査記録は記入がいつ、どのようにされたかは不明で、経過を記したメモも捨てられたという。

 高裁は県警の鑑定について「技術が著しく稚拙か、別人のDNA型が出たため、捜査官の意向を受けて判定不能とした可能性も否定できない」と、捜査当局による“証拠隠し”の疑いにまで言及した。………(2016年1月22日)<記事全文>

2016/01/22 11:13

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