47NEWS >  47トピックス >  超おすすめ

47トピックス

【成人の日 各社社説・論説】 岩手日報 信濃毎日新聞 中日新聞 京都新聞

【岩手日報】<論説>
■ 成人の日 「はげます」側も自覚を

 「成人の日」の趣旨は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」と祝日法にある。

 新成人に自覚と自立を促して、社会が「祝いはげます」発想には、高みの目線がうかがえる。しかし、時代は逆に若い世代の存在そのものに励まされている。

 新成人には、その発想や行動力を古里や国の今と未来に存分に役立ててもらいたい。そのための環境整備は大人社会の責務だ。今様の「成人の日」は、実社会へ迎え入れる側が「自覚」を新たにするべき意味合いが増している。

 日本の人口ピラミッドは1970年あたりまで、低年齢の裾野が広く年齢が上がるほどすぼむ富士山型だった。次第に中ほどが膨らみ始め、現在はつぼ型が進行している。人口減に伴って、つぼは高齢層が膨らむ形のままで次第に小さくなっていくだろう。

 若者が存分に活躍できる仕組みを整えなければ、いずれ社会は立ち行かなくなる。その切迫感は、近年の施策の方向にも表れている。

 2014年、改憲手続きを定めた国民投票法の改正で、投票権者が18歳以上とされたのに続き、選挙も今夏参院選から18歳以上が投票できるようになるのは典型例だ。政治的思惑はあるにしても、若者の意思を取り込む必要に駆られたのは確かだろう。

 引き続き「18歳成人」も検討が続く。2006~07年の第1次安倍政権に端を発し、法相の諮問機関である法制審議会は民主党政権下の09年10月に18歳成人への引き下げを答申。昨年9月には自民党特命委員会も、できるだけ速やかな実施を提言している。

 引き下げには難題が多い。07年の政府の検討委員会の報告では、引き下げに絡み検討を要する法律、政省令は300以上。飲酒や喫煙、公営ギャンブルとの関連や消費者被害の拡大も懸念されている。………(2016年1月11日)<記事全文>


【信濃毎日新聞】<社説>
■ 成人の年齢 若者が意思表示しよう

成人の日を迎えました。全国でおよそ120万人が20歳になり、大人の仲間入りをしました。

 何年か後の成人式には、この3倍の人たちが招かれるかもしれません。成人になる年齢を18歳にしようという動きが進んでいるからです。

 ただ、そこには肝心の若者の意見が十分反映されていません。この機会に皆で議論して、主権者の声を届けませんか。

 成人年齢の引き下げに向け動きだしたのは、この夏、公職選挙法の改正で選挙権が20歳以上から18歳以上に広がるためです。成人の年齢も合わせるべきだと、与党自民党の委員会が昨秋、18歳への引き下げを政府に提言しました。

 20歳で成人(成年)と決めているのは、生活や身分、財産などに関する法律、民法です。これを改正して18歳にすべきだという提言は既に7年前にありました。専門家らによる国の法制審議会の答申です。理由をこう示しています。

   <なぜ引き下げか>

 早期に社会・経済でのさまざまな責任を伴った体験をさせ、社会の構成員として重要な役割を果たさせることは、個人や社会に大きな活力をもたらす―。

 「させる」という言い方が、上から目線です。審議会に若者が加わっていないからでしょう。

 「18歳成人」になると何が変わるのでしょうか。

 今の民法では20歳未満の契約行為などに制限と保護を設けています。例えばローンやクレジットカードなどの契約は親の同意がなければできません。それに反した契約は取り消すことができます。結婚も親の同意が必要です。

 未成年に対しては親が面倒を見たり、財産を管理したりする権利や義務の「親権」もあります。………(2016年1月11日)<記事全文>

【中日新聞】<社説>
■ 意志ある風になれる人 成人の日に考える

ふと耳にしたその歌が、頭の中で鳴り響いてやみません。大人とは誰なのか。成人とは、はたまた主権者とは。難しい宿題のヒントが隠れているようで。

 さとう宗幸さんの新曲「だれかの風であれ」は、幼なじみの“はるちゃん”を歌っています。

 はるちゃんこと、千葉晴信さん(66)。東アフリカのエリトリアでは、独立運動の精神的支柱とされるヒーローです。

 今から三十八年前、エチオピアからの独立紛争真っただ中、はるちゃんは、日本人ジャーナリストの助手として、エリトリア人民解放戦線(EPLF)の解放区に分け入った。

はるちゃんは風だった

 はるちゃんは空手家です。いつ、どこから銃弾が飛んでくるとも知れない異郷の深い森の中、毎日泰然とけいこに励むはるちゃんに“サムライ”を見たのでしょうか。いつの間にか、若い兵士がその周りに集まってきて、教えを請うようになっていた。

 それから十数年、独立を勝ち取ったその国に、はるちゃんの姿はありませんでした。

 新国家の要職に就いたかつての“弟子”たちは大使館まで動かして、ジンバブエで道場主になっていた、はるちゃんを捜しだし、四年前の独立二十年式典に国賓として招待したのです。

 はるちゃんはこの春帰国して、今、長野県にいます。

 ジンバブエで受けた椎間板ヘルニアの手術が失敗し、下半身が完全にまひしてしまい、リハビリを続けています。

 昨年暮れ、さとうさんのもとに届いたメールには「自分の力で十歩歩いた」とありました。医師は奇跡と呼んでいます。

 はるちゃんのこの強い意志の力こそ、国をも動かす“風”だったのか。

 そんな、はるちゃんの足跡を、さとうさんは歌にしました。

 ♪どうか考えてほしいのです/わたしは何をなすべきかと…というサビの部分。

 ♪意志ある風になれ/すがたなき風であれ/だれかの風であれ…というリフレイン(繰り返し)。

 耳に残って離れません。

 愛知県大府市の至学館大学では「人間・社会と法」という四年生を対象にした一般教養の後期講座の中で、谷岡郁子学長による「主権者教育」を展開しています。

 多くの学生が就職を決めたあとにもかかわらず、大教室が満員になるから不思議です。………(2016年1月11日)<記事全文>


【京都新聞】<社説>
■ 成人の日  民主主義の主役になる

きょうは「成人の日」。京都府で2万6177人、滋賀県では1万4615人、全国では約121万人が大人の仲間入りをする。


 20歳になれば、飲酒や喫煙、競馬などのギャンブルも許されるが、その分、責任も重くなる。とりわけ新成人にとって大きな変化は、民主主義社会を形作っていく主権の行使者になることだろう。そのことをぜひ自覚してほしい。


 国民一人一人が自分たちの判断で正しいものとそうでないものを見分け、選挙などを通じて物事の決定に参加していく。そうした民主主義は、明日を担う若い人が加わってこそ生きたものになる。


 新成人は多くの人が、これから結婚して家庭を持ち、子育てに関わっていく。だが日本は少子高齢化に伴う社会保障費の増大や格差社会の深刻化などさまざまな問題を抱えており、明るい未来が見通しにくい。若い世代からは「絶望世代」という言葉も生まれているが、そうした状況を変えていくためにも、いろんな機会を通じて意思表示をしていくことが必要だ。


 昨年、国内では戦後の平和主義の流れが大きく転換され、自衛隊の海外での武力行使に道を開いた。一方、世界の各地では、内戦やテロが頻発し、おびただしい数の難民が行き場を失っている。平和や安全の守り方も、今後の大きなテーマとならざるをえない。


 今夏の参院選から選挙権が18歳に引き下げられるが、新成人にとっては初の国政選挙になる。憲法改正を争点にした重要な選挙となりそうだが、憲法の何をどう変えたいのか、本当に必要なことなのか、しっかり見極めてほしい。


 安全保障関連法をめぐり昨年は学生たちが中心になり各地で反対デモを繰り広げたが、「選挙に行こうよ」と訴えていたのが印象的だった。「お任せ民主主義」からの脱却に向けた主権者意識の芽生えと受け止めたい。………(2016年1月11日)<記事全文>

2016/01/11 17:06

ロード中 関連記事を取得中...