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【介護休業給付引き上げへ】政府、賃金の67%で調整  「離職ゼロ」目指す/人材確保など課題山積 

 政府は22日、家族の介護のために仕事を休む介護休業制度で、賃金の40%となっている休業中の給付金を引き上げる検討に入った。先行して引き上げた育児休業と同じ賃金の67%とする案を軸に調整する。労使が参加する厚生労働省の労働政策審議会の部会で詳細を詰め、来年の通常国会で法改正を目指す。


 介護を理由にした離職者は年間10万人に上り、政府は新たな看板政策「1億総活躍社会」で、2020年代初頭の「介護離職ゼロ」の実現を掲げている。介護休業は原則1回の取得に限られているため、政府は複数回に分けて取得できるよう既に検討に着手。介護休業の使い勝手の向上と給付金アップで取得を促し、仕事を辞めずに介護との両立を図りやすくする。


 雇用保険から支払われる給付金は、労使が負担する保険料と、国庫負担で賄われる。介護休業中は賃金の40%を受け取れ、取得できるのは家族1人につき最長で93日間。 有料老人ホームへの入居手続きや必要なサービスの手配などに充て、職場に復帰する。


 ただ、取得率は3・2%と低迷。給付割合が低く、家計への影響が大きいことも一因とされる。子育てのために仕事を休む育児休業の給付金は2014年4月以降、取得から半年間に限って賃金の67%に引き上げられている。政府は介護休業でも同様に引き上げる必要があると判断。一気に67%にせず、まず50%に上げるべきだとの意見もあり、調整を進める。


 介護離職ゼロへ向けて政府は、介護休業の見直しのほか、施設や在宅サービスの整備、不足している介護職員の確保などを進めていく方針だ。


 
 ◎人材確保など課題山積 介護休業給付の引き上げ 


 【解説】政府は、介護休業の給付金を引き上げたり、分割取得できるように仕組みを改めたりすることで「介護離職ゼロ」の実現を目指す。ただ仕事と介護を両立させるためには、在宅サービスの充実など環境整備が不可欠だ。介護現場では人材確保など課題は山積しており、休業制度見直しが特効薬になるとは言えない。


 介護休業は、家族が常時介護が必要となった場合、サービスの利用計画をつくるといった準備をするための制度だ。仕事を辞めるのを防ぐのが狙いだが、実際には離職者は年10万人に上る。働き盛りの世代が多く、企業にとっても損失は大きい。引き上げは一歩前進となり、政府関係者は「休業を使って介護との両立を促すための大きなメッセージになる」と期待する。


 介護休業の給付金は雇用保険から支払われ、財源の9割程度は労使が負担する保険料。国はあまり懐を痛めず、看板政策を進められる面もある。


 しかし実際に仕事と両立させるには、介護で働く人の数を増やして必要な在宅サービスを提供したり、特別養護老人ホームなど施設の 整備を進めたり することが必要だ。効果的な政策の総動員が欠かせない。

(共同通信)

2015/10/23 11:11

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