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【政府機関の地方移転】誘致提案に省庁反発 「対外調整で支障」 組織の肥大化懸念も

 政府機関の地方移転に関する自治体の提案をめぐり、対象とされた省庁側から反発の声が上がっている。国会対応や他省庁との調整といった業務に支障が出るというのが主な理由だ。政府は移転の実現に向けた作業を本格化させているが、着地点は見えない。


 ▽本丸の誘致低調


 8月末に締め切られた地方の要望では、42道府県が69機関の誘致を提案した。「本丸」と位置付けられる中央省庁は、ハードルが高いとの判断からか、観光庁など7機関の要望にとどまった。


 観光庁は北海道と兵庫県が誘致を提案。北海道は「アジア地域の北海道への関心をさらに高めることにつながる」と地域経済への波及効果に期待する。


 しかし、観光庁幹部は「東京を離れれば業務効率が下がる」と移転には否定的だ。成長戦略の要として観光産業に注目が集まる中、国会対応に加えて、上部組織の国土交通省や他省庁との日常的な調整も多く「日本全体の観光振興を考えれば、移転が良いとは思えない」(幹部)。


 和歌山県は、約500人の職員を抱える総務省統計局の誘致を求めた。「家族を含め人口増をもたらすメリットがある」と強調するが、総務省幹部は「なぜ和歌山なのか、全く理由が分からない。移転により経済効果がどれだけあるかの証明も難しいだろう」と突き放した。


 ▽組織肥大化も


 省庁の中には、道府県の提案に一定の理解を示す向きもある。大阪府が移転を求めた中小企業庁の幹部は「東京に次ぐ行政の拠点をつくるのは大事で、インフラが整った大阪はふさわしい」として、全面移転ではなく出先機関の新設を「逆提案」した。


 京都府が誘致を求めた文化庁の幹部は「東日本の文化芸術施策をないがしろにしていると批判を招きかねない」と移転に慎重だが、「 2020年東京五輪 の文化プログラムを西日本で展開したい」として京都市に既にある分室の拡充に前向きな姿勢を見せる。


 政府は今回、道府県に対し、移転によって行政コストや組織が肥大化しないような提案をするよう求めていた。だが、施設や人員を移すだけでも多大なコストがかかる上、出先機関の新設や拡充が認められれば、省庁組織の膨張につながりかねない。


 ある政府関係者は「移転のコストとメリットをてんびんにかけ、どちらが良いか議論しなければならない」と警鐘を鳴らす。石破茂地方創生担当相は「国民に分かる形で情報提供したい」とした上で「国の利益に資するのか、官僚機構の利益に資するのかを判断してもらいたい」と訴えた。


 (共同通信)

2015/09/20 10:58

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