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地方創生に要望集中 社会保障費の抑制焦点  予算要求102兆円超  16年度、防衛費最大に

 
 2016年度予算編成に向けた主な省庁の概算要求が28日、ほぼ出そろった。安倍政権が「成長戦略の柱」と位置づける地方創生に要望が集中。年金や医療など社会保障費が膨らみ、一般会計の要求総額は102兆円超と過去最高を更新する見通しだ。高齢化に伴う増加分を中心に、今後の査定でどこまで抑制できるかが焦点。防衛費の要求額も過去最大となった。

  成長戦略につながる特別枠は、3兆9千億円の上限近くまで要求が積み上がった。うち地方創生関連で、内閣府は、人口減少対策に取り組む自治体に総額1080億円を配分する 新型交付金の一部や、地方創生を担う人材育成事業を要望。文部科学省は、地域の大学が地元企業と協力して新産業を生み出す取り組みへの支援を打ち出した。

 このほか、放送事業者と自治体が連携して地方の魅力を海外に発信する番組制作を行う事業や、日常的な診療や健康管理を行う「かかりつけ医」を充実させるモデル事業が盛り込まれた。外国人観光客を地方に呼び込むための受け入れ態勢整備や、地域密着型の企業を育成するといった事業も並んでいる。

 社会保障費について、大部分を所管する厚生労働省は高齢化による自然増で前年よりも約6700億円が必要になるとして、総額で実質的に過去最大となる30兆6675億円を要求した。

 防衛費についても、米軍再編関連経費を含めて過去最大の5兆911億円を計上。防衛省は、中国の海洋進出を受けた離島防衛に重点を置いた。

 16年度税制改正に向けた各省庁の要望も、ほぼ出そろった。内閣府は、企業が応援したい自治体に寄付すると法人税と法人住民税が控除される「企業版ふるさと納税」の創設を要望。法人税の実効税率引き下げで、経済産業省は16年度の下げ幅を上積みする一方、財源確保は後回しにする先行減税を求めた。

 

▼歳出重点化が課題 16年度予算の概算要求

 【解説】2016年度予算の概算要求は一般会計総額が過去最大の102兆円超に膨れ上がり、政府方針で掲げた歳出抑制に積極的な姿勢はうかがえない。安倍政権の看板政策の地方創生に絡めて予算増額を求める動きも目立ち、秋以降に本格化する予算編成作業での重点化が課題となる。

 政府は6月に策定した経済財政運営の指針「骨太方針」で、20年度に財政健全化目標を達成するため社会保障費を含む歳出抑制を打ち出した。概算要求の基準では人件費といった義務的経費の削減を促す仕組みを導入。だが、景気動向に応じた柔軟な予算編成を理由に歳出総額の上限を設けなかったため、支出抑制への各省庁の動きは鈍い。

 成長戦略の重要施策を要求する特別枠が、目的通りに運用されていない面にも課題がある。既存経費を減らした分を財源に予算を重点配分する仕組みだが、要求内容は過去の政策を焼き直した印象を拭えず、効果が不透明な事業も少なくない。

 地域活性化を促す地方創生の看板が予算のばらまきにつながらないよう、財務省は要求内容を厳しく査定する構えだ。しかし、来夏に参院選を控え、与党は歳出拡大の圧力を強めつつある。景気の先行き不安も広がっており、歳出の絞り込みは難航しそうだ。

▼自治体間の格差解消図る 観光客誘致や企業育成で

 2016年度予算の概算要求では、各省庁が地域経済を再生させるための事業費を積極的に計上した。地方自治体によって景気の回復度合いにばらつきが出ているとの指摘があり、格差を解消する狙いがある。
 地域経済活性化の即効性が高いとされる観光客の増加に向けて、観光庁は15年度当初比43%増の142億円と強気の要求に踏み切った。宿泊施設や案内所など外国人旅行者の受け入れ態勢を緊急整備する新規事業に4億円を計上。外国人にあまりなじみがなかった地域にも足を運んでもらえるようにする。
 総務省は、市町村と地元金融機関が連携し、地域密着型の企業を育成する「ローカル10000プロジェクト」にほぼ倍増の40億円を求めた。12年度にスタートし、成功事例も出始めていることから支援を拡充する。
 東京圏などの高齢者の地方移住を促す構想は「負担の押し付け」との拒否感がある一方で、医療・介護関連の雇用増を期待する地域もある。内閣府などは16年度に1080億円の新型交付金を創設し、移住者の受け入れに前向きな自治体の支援にも活用する。
 自治体内の格差解消にも目配りが見られた。中心部から離れた山あいの集落などに、診療所やガソリンスタンドなどの生活拠点をつくる「小さな拠点」形成事業には、国土交通省が3億円を計上した。


(共同通信)

2015/08/29 12:04

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