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【ブラックバイト】高校生労組発足 悪質アルバイト就業実態、国が調査へ

 厚労省の担当者(手前)とアルバイトについての座談会に臨む大学生=6月、同省
 アルバイトなのにテスト期間も休めない、ノルマのため商品を自腹購入―。過重な勤務やノルマを強いられ、学業にも支障を来す「ブラックバイト」が社会問題化している。被害は大学生から高校生にまで広がり、ついには高校生自ら労働組合を結成した。国は近く、実態調査に乗り出す。

 ▽自爆営業

 「進路のためにアルバイトを辞めたいが、辞められない」。6月下旬、労働組合「ブラックバイトユニオン」にこんなメールが届いた。

 送り主は、大手コンビニチェーンでアルバイトをする高校3年の女子生徒。辞めたいとオーナーに伝えると、信じられない一言が返ってきた。「進路なんてどうでもいい。辞めるなら、おまえの家に怒鳴りに行くぞ」

 昨年12月には、こんな相談も寄せられた。男子高校生はアルバイト先のコンビニでおでん販売のノルマを課せられ、さばききれずに自分で300個を購入した。いわゆる“自爆営業”だ。

 ノルマはエスカレートし、とうとう中元セットまで購入。中元を受け取った友人の親が両親に連絡し、実態が発覚した。

 ▽経済事情

 大学生らの塾講師のアルバイトをめぐる問題も多い。今月7日、大手学習塾をフランチャイズ経営する水戸市の会社に深夜割増賃金の不払いなどの労働基準法違反があるとして、茨城県の土浦労働基準監督署が是正勧告した。ユニオンも関わっているケースだった。

 ユニオンに寄せられるブラックバイトに関する相談は月50件以上で、大半は大学生だが高校生も多い。「ブラックバイト」の著書があるNPO法人「POSSE」代表の 今野晴貴 (こんの・はるき) さんは「労働法制に詳しくなく、文句が言えない大学生や高校生は企業にとって好都合」と分析する。

 日本学生支援機構の隔年の調査によると、アルバイトをしている大学生の割合は近年、約7割強で大きな変化はない。だが、奨学金を受けている学生の割合は、2008年度43%、10年度51%、12年度53%と上昇。ブラックバイトがなくならない背景には、辞めようにも辞められない学生の経済事情もうかがえる。

 ▽対抗手段

 市民団体による大学生バイトの実態調査では、経験者の約7割が「労働条件を書面で示されなかった」「望まないシフトに入れられた」などと不当な扱いを訴えた。

 厚生労働省が6月、首都圏の大学生を対象に開いたアルバイトに関する座談会でも「週2日からでいいと言われたのに、『何で(もっと)出られないのか』とねちねち言われた」などの声が出た。こうした状況を受け、同省は近く、アルバイトの労働実態を調べるアンケートを始める。

 学生自らが労働組合をつくる動きも広がる。2月に「関西学生アルバイトユニオン」(大阪府茨木市)、都留文科大(山梨県都留市)の学生による「都留文科大学学生ユニオン」が発足。27日には高校生による「首都圏高校生ユニオン」が新たに結成された。

 今野さんは「経営者がぎりぎりまでコストを下げる中、賃金が安い学生の責任感をあおり、戦力とするビジネスモデルが出来上がっている」と指摘。学生らの労組立ち上げについて「まず自分たちでやろうというのは極めて自然で、どんどんやってほしい」とエールを送った。

(共同通信)

2015/08/28 10:19

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