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【戦後70年世論調査】 改憲32%、変えない60%/経済発展、平和を評価/「平和主義」定着   

  共同通信社は戦後70年に当たり、憲法改正の是非など国民の意識を探るため5~6月に郵送方式で世論調査を実施した。憲法について「このまま存続すべきだ」は60%で、「変えるべきだ」の32%を上回った。戦後の歩みの中で良かったこと(二つまで回答)は「国が復興し経済的に発展した」の55%、「他国と戦争せず平和だった」の54%が上位となった。

 戦後50年を前に日本世論調査会が実施した1994年7月の面接調査では、憲法に関し「このまま存続」は55%、「変える」は34%だった。戦後70年を迎え、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更をはじめ安倍政権による安全保障政策の変質が進む中、憲法や平和の重要性が再認識されているといえそうだ。

 日中戦争と太平洋戦争について「戦争体験を含め直接知っている」との回答は6%にとどまった。先の戦争の評価を「侵略戦争」とした人は49%で、「自衛の戦争」は9%。「どちらともいえない」が41%を占めた。

 憲法を変えないという人が評価する点(二つまで回答)は「戦争放棄・平和主義」が88%で最多。「基本的人権の尊重」51%、「象徴天皇制・国民主権」31%が続いた。

 変えるべきだとする人が憲法で評価しない点(同)は「戦争放棄・平和主義」36%、「占領軍が起草」34%、「環境権などの不備」24%の順だった。平和主義をめぐる考え方の違いが評価を左右した形だ。安保関連法案の国会審議で、平和主義が論点になったことも影響したとみられる。

 「戦後の歩みの中で、特に問題だと思うもの」(二つまで回答)は「家庭や地域社会の連帯感が薄らいだ」が30%、「環境破壊が進んだ」が28%だった。

 日本が「悪い方向」に向かっていくと答えたのは「どちらかといえば」を含め計52%で、「どちらかといえば」を含めた「良い方向」の計46%よりも多かった。取り組むべき課題(三つまで回答)は「少子高齢化」「年金・医療制度」「財政赤字」の順となった。

 日本外交で重視すべきなのは「アジア諸国との関係」が最多の42%。中国、韓国との関係改善に努力すべきだとの回答は共に70%以上だった。
 
 ◎国民に「平和主義」定着

 戦後70年の世論調査で鮮明になったのは、「平和国家」としての戦後の歩みと日本国憲法を肯定的に評価する国民意識だ。戦争を直接知る世代は少なくなり、終戦の2年後に施行された憲法の改正が具体的な課題として取りざたされる。しかし平和主義は国民の間にしっかりと定着しているといえよう。

 今回の調査で憲法は「このまま存続すべきだ」との回答は60%と約20年前の調査の55%よりも増えた。 存続と答えた人に憲法を評価する点(複数回答)を聞くと 「戦争放棄・平和主義」を挙げた人が88%にも達する。

 戦後の評価(複数回答)でも「国が復興し経済的に発展した」「他国と戦争せず平和だった」の2項目が上位を占めた。経済発展も平和という前提条件があったからだ。

 一方で日本の将来を 「どちらかといえば」を含めて「悪い方向」と答えた人の多くは憲法は「存続すべきだ」と回答し、「どちらかといえば」を含めた「良い方向」では存続と改正の差が縮まる。改憲を宿願とする安倍晋三首相が率いる政権への評価が将来に対する見方の「二分化」につながっているとも分析できそうだ。

 今後の課題として上位に並んだ「少子高齢化」や「年金・医療制度」などの対策は時に痛みも伴うものだ。二分化する国民意識を「統合」し、幅広い合意を形成する取り組みが、政治に課せられた責務といえよう。

(共同通信)

2015/07/22 10:33

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