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【強制不妊手術】「私の体を返して」 人生変えた半世紀前の体験

 半世紀前の体験が、その後の人生に重くのしかかった。「私の体を返してほしい」。旧優生保護法に基づき不妊手術を受けさせられたとして、人権救済の申し立てに踏み切ることになった宮城県の60代の女性は訴える。

 県内の山村で、7人きょうだいの長女として育った。女性の話によると、中学3年の時、知能検査の結果を基に知的障害者のための福祉施設に入所させられた。卒業と同時に職業訓練のため「職親」の家に住み込みで家事をするようになった。

 「出かけるから、ついておいで」。ある日、そう声を掛けられ外出。公園でおにぎりを食べた後、橋を渡った所にある診療所に連れて行かれた。

 そこには久しぶりに見る父の姿があった。医師に何をされたのかは分からないままだった。

 その後、自宅で暮らすようになって両親の会話を偶然聞き、自分が不妊手術を受けさせられたことを知った。

 父が東京で就職先を見つけてくれ、上京。町工場でミシンがけをしたが体調不良で長続きせず、事務や飲食店の仕事を転々とした。

 不妊手術のことがいつも心の重荷だった。「子どもを産める体になりたい」と医師にも相談したが、悩みが解決することはなかった。

 後年、父からの手紙に不妊手術の経緯が書かれていた。「至急手術するよう話があったので、印鑑を押せと責められてやむなく押した」

 女性は1990年代になり、旧優生保護法の非人道性を訴える市民グループとともに、国に真相究明を求める活動をするようになった。

 手術の痕は今も体に残る。なぜ自分は手術を受けさせられたのか。今も、その答えを探し続けている。

 (共同通信)

2015/06/21 12:35

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