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【揺れる安保政策】地理的制約の撤廃明示 安保法制で政府見解  小渕首相答弁継承せず  27日与党協議に提案


 
 新たな安全保障関連法案の解釈基準を盛り込んだ政府統一見解が25日、判明した。朝鮮半島有事を想定した周辺事態法の改正では、自衛隊活動の地理的制約の根拠とされてきた小渕恵三元首相の答弁を継承せず、派遣先の制約を事実上撤廃する方針を明確化した。27日の与党協議会に提示し、法案の主要条文とともに実質合意する見通しだ。

 統一見解は「基本的な考え方の整理」と題し、/(1)/重要影響事態/(2)/米軍等の武器等防護/(3)/存立危機事態―に関し説明した。

 わが国の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」は、周辺事態法の改正で新たに定義される。周辺事態をめぐっては1999年、小渕氏が「中東やインド洋は想定されない」と答弁したが、統一見解は「これらの地域もあらかじめ排除できない」と明記した。

 重要影響事態については「軍事的な観点をはじめ種々の観点から見た概念」と記述した。これを踏まえ、経済的、社会的な影響など広範な事態に対応して自衛隊が派遣される可能性がある。

 自衛隊以外の米軍や他国軍の武器等を防護可能とする自衛隊法改正をめぐっては、公明党が歯止め策を求めていた。これに関し、統一見解は/(1)/重要影響事態で人員・物資の輸送、補給等の活動/(2)/日本の防衛に資する情報収集、警戒監視/(3)/高度な戦術等の情報を共有し得る関係が前提の共同訓練―に従事する他国軍を防護対象とした。

 集団的自衛権行使を可能とする「存立危機事態」の認定基準は「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、規模などの要素を総合的に考慮し、国民が被ることとなる犠牲の深刻性などから客観的に判断する」と明示した。

 同時に「存立危機事態に該当するような状況は(個別的自衛権行使の前提となる)武力攻撃事態等にも該当することが多い」とした。

 国や自治体による国民保護の在り方や私権制限を定めた国民保護法については「現行法の規定で十分に対応できる」として改正は不要と強調した。

 ▼拡大解釈の余地残る 政府統一見解

 【解説】新たな安全保障関連法案をめぐる政府統一見解は、複雑化する自衛隊活動の例示により「海外派遣がなし崩しになる」との懸念を 払拭 (ふっしょく) したい狙いがある。だが、あいまいな表現も盛り込まれ、拡大解釈の余地は残っている。

 見解は、日本の平和や安全に重要な影響を及ぼす事態の活動を定めた周辺事態法改正に関し、想定外としてきた「中東やインド洋」も「排除できない」として活動範囲の広がりを裏付けた。防衛省幹部は「東シナ海からインド洋にかけての活動が射程に入る」と解説する。米軍の要請を受けた「地球の裏側」への派遣も可能となる。

 集団的自衛権を行使する存立危機事態については、個別的自衛権を行使する武力攻撃事態等にも該当するケースが「多い」と表現。「個別的自衛権から薄皮一枚広がっただけ」とする公明党の意向を反映したとみられる。

 一方、憲法解釈を変更した昨年の閣議決定の際も議論された中東・ホルムズ海峡での機雷掃海の可否などには触れなかった。実際に集団的自衛権がどのような状況で行使されるかは不透明だ。

 政府、与党には統一見解を関連法案と併せて提示し、野党の国会追及に先手を打つ思惑があった。内容に不明確さは否めず、激論は必至だ。

(共同通信)

2015/04/26 17:13

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