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「故郷は日本。日本しか知らない」 山梨生まれのタイ人少年 退去処分の撤回求め提訴


退去強制処分撤回を求める訴訟を起こしたウォン・ウティナン君=16日、甲府市
 母親は不法滞在のタイ人(43)で、日本で生まれ育った甲府市の高校1年ウォン・ウティナン君(15)が、法務省入国管理局の退去強制処分撤回を求める訴訟を東京地裁に起こした。「自分の故郷は日本。普通に生活し、勉強したい」と訴えるウティナン君は、23日に開かれる第1回口頭弁論に臨む。

 ウティナン君の母親が来日したのは1995年9月。タイ人ブローカーに「日本で飲食店の仕事を紹介する」と言われていたが、実際は違った。日本各地で意に沿わない仕事を強要され、やがて不法滞在となった。

 ブローカーが入管に摘発された後、山梨県に移住。一緒に暮らすようになったタイ人男性との間にウティナン君が生まれた。その後、男性と別れた母親は不法滞在の発覚を恐れ、ウティナン君を連れて山梨県や長野県、愛知県などを転々とした。ウティナン君は幼少期、家の中で隠れるように過ごす日々を送り、小学校に通えなかった。

 学校に通いたいと思ったウティナン君は11歳のころ、甲府市の在日外国人人権団体「オアシス」に相談。オアシスが教育委員会と交渉し、2013年4月に甲府市の中学2年に編入した。

 日本で暮らし続けたいと13年夏に在留特別許可を申請したが、昨年8月に退去強制処分となり、現在は仮放免となったままでの暮らしが続く。

 ウティナン君は日本から出たことがなく、タイ語の読み書きはできない。オアシスの山崎俊二事務局長は「親が不法滞在でも子は生まれた場所で暮らす権利がある。それを実現させるのが社会の責任。行ったこともない国にいきなり住めと言うのは乱暴で、人道的措置が必要だ」と訴える。

 訴状でウティナン君らは、法務省が公表したガイドラインでは、人身取引被害や日本への定着性などは在留特別許可を求める外国人に有利な条件になるとして「退去処分がガイドラインに反しているのは明らかだ」と主張している。

 ウティナン君は「日本で生まれたこと自体が悪いみたいで悔しい。自分は日本しか知らない。日本で勉強を続け、立派な大人になり、まじめに働きたい」と話している。

(共同通信)

2015/04/20 18:25

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