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【国会の監視機関】秘密チェック、検証困難  「歯止め」見えず


 特定秘密保護法の運用状況を外部からチェックする衆参両院の情報監視審査会が始動した。国民の信頼獲得には「国会が政府の行き過ぎに歯止めをかけた」という目に見える結果が欠かせないが、開催日時や場所も明かさない秘密主義の運営が実情だ。議事録公開の有無も未定で、審査会の活動実態を検証するすべは乏しい。

 ▽お墨付き
 審査会は、政府が指定した特定秘密に本来国民に知らせるべき情報がないかなど、指定の妥当性を検証する責任を負う。衆参それぞれ与野党の8議員で構成。秘密指定の解除など改善を求める勧告権を持つが、法的拘束力はない。

 3月末の初会合は記者団に公開し「お目付け役」の発足を国民にアピールしたが、今後は原則、審議を公開しない秘密会で行う。加えて開催日時も伏せられ、国会内に設けた専用の部屋は、防音工事を施した上で場所も公表しない徹底ぶりだ。

 自民党のある委員は「会合場所を知らせないのは国際標準に照らしても当然だ」と語る。「何度か会合を開き『外部に一切漏れない』と分かって初めて、政府が重要情報を出す可能性が出てくる」として、審査会の機能を高める観点からも意義を強調する。

 外部から審査会の活動実態を把握する手段は、年1回公表される報告書に限られる。審議内容が明らかになるわけではないため、野党側は「国会が政府にお墨付きを与えるだけだ」と懸念する。

 ▽議事録
 厚い壁に穴をあけようと試みる動きもある。NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)は初回の審査会当日、各委員に議事録の公開を求める要望書を送った。

 政府が審査会へ年1回提出すると決まっているのは、秘密の概要をリスト化した「特定秘密指定管理簿」ぐらいだ。審査会が昨年末時点で約18万9千点に上る秘密指定の対象文書を提出するよう求めたか、政府にどのような指摘をしたかを知るためには、議事録の公開が欠かせない。

 クリアリングハウスの 三木由希子 (みき・ゆきこ) 理事長は「監視結果を具体的に明らかにするためにも議事録の公開は必須だ」と指摘。審査会の機能について「少なくとも政府が作成する管理文書は全て提出させてチェックするような態勢を取らなければ、秘密指定の実態には近づけない」と注文を付ける。

 ▽試行錯誤
 米議会には、政府の秘密保護の運用状況を直接監視する機能はない。しかし、上下両院の情報特別委員会が、中央情報局(CIA)をはじめとする情報機関の活動全般を頻繁な非公開会合を通じて監視するなど、機密の扱いに関するチェック機能は日本より相当進んでいるといえる。

 最近では、次期大統領選に出馬表明したクリントン前国務長官が在任中に私用のメールアドレスを使っていた問題が浮上し、議会の委員会が前長官に聴取に応じるよう求めた。活動が国民の目に触れることで、機密維持や公開の在り方など、さまざまな角度から議論が起きている。

 秘密指定に対する不服審査制度が整備され、外国人を含む一般の個人も申し立てできる点も、日本とは大きく異なる。

 政府による「過剰な機密指定」は米国でも問題になっている。昨年7月には5年で10%以上の機密指定の削減を目指す法案が上下両院に提出されたが、時間切れで廃案になるなど試行錯誤が続く。

 (共同通信)

2015/04/19 12:13

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