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【死刑制度と世論】将来的廃止の可能性示した/制度肯定の流れ変わらず


 内閣府が1月に公表した死刑制度に関する世論調査結果が、司法関係者らの間で注目されている。死刑を容認する回答は8割超の高水準を維持する一方で、終身刑を導入した場合の回答では死刑の賛否が接近したためだ。【死刑容認の世論に変化か】

◎ 将来的廃止の可能性示した 日弁連死刑廃止検討委事務局長・小川原優之 

―世論調査で8割以上が死刑制度を容認した。

 「数字は国民の意識を客観的に示したものではない。『死刑もやむを得ない』と回答した人のうち、4割以上が将来的な死刑廃止を認めている。これに『死刑は廃止すべき』との回答も加えると、死刑存置派と『現在または将来の廃止派』の差はわずかになる。調査結果は日本でも将来的に死刑廃止があり得ることを示したとみるべきだ」

 ―死刑容認の割合が微減した。

 「袴田事件の再審開始決定により、死刑判決に誤判があり得ること、執行してしまえば取り返しのつかないことを示したのが大きい。裁判員制度により、市民が死刑判決に関わることになったのも影響しているのではないか」

 ―死刑廃止の道筋は。

 「日本弁護士連合会は、死刑に代わる最高刑として、仮釈放のない終身刑について議論が必要と提言している。終身刑が導入されれば死刑廃止を容認するとの考えが一定数あることを今回の世論調査は示した。終身刑には制度上の問題点もあるが、代替刑としてこれを議論することが廃止への道筋だと考えている」

 ◎ 制度肯定の流れ変わらず 法務省刑事局刑事法制管理官 

 ―死刑制度は国民からの広い支持を受けていると考えるか。

 「死刑制度がどう受け止められているかとの点では、『やむを得ない』と回答した方の割合が約8割と大きく、全体として肯定的評価が示されていると考えている」

 ―死刑容認の割合が微減したが。

 「世論調査を通して知りたいことは、死刑制度に対する考えがどう変動しているのかということ。今回は選択肢の変更が行われたので、直前の数値との比較はできない。全体の動向としては、多数の方が死刑制度を『やむを得ない』と考えているという流れは変わっていないとの評価だ」

 ―終身刑に対する考えは。

 「釈放の希望を与えず、一生拘禁しているというのは刑事政策として適切なのかという問題もあるし、絶望的な刑罰との意見もある。制度として仮釈放のない終身刑を導入することについては、さまざまな問題があるので慎重な検討が必要だ」

 ―袴田事件の再審開始決定で、誤判の問題が指摘されている。

 「三審制の裁判や再審制度、さらに死刑執行命令を出す前には記録を詳細に調査するなど何重もの防壁があり、誤判による死刑が執行されることはないと考えている」


(共同通信=佐藤大介)

2015/03/31 15:27

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