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【駐韓米国大使襲撃】 警備失態、外交力低下 韓国内左右の対立も激化か


リッパート駐韓米国大使が出席した会合の主催団体が入るビルの前で、抗議集会をする保守団体メンバー=3月5日、ソウル(共同)
 リッパート駐韓米国大使がソウルで襲われた事件は、日韓の歴史問題をめぐる米国高官の発言に韓国内で「日本寄りだ」との反発が出る微妙な時期に起きた。高官発言は犯行の動機ではないとみられるが、大使の警護で失態を犯したことで韓国の米国に対する立ち位置は不利に。歴史問題を棚上げした日韓関係改善を望む米国の意向を無視できなくなったとの見方が韓国内で出始めた。

 ▽顔パス

 「南北離散家族が会えないのは(米韓の)戦争訓練のせいだ」
 現行犯逮捕されたキム・ギジョン容疑者(54)は連行された警察署で、北朝鮮と同じ視点から米韓協力を非難した。

 同容疑者は2007年までに8回も北朝鮮を訪問。北朝鮮寄りの立場から日米韓の政権を批判し、南北接近を呼びかけてきた。

 その行動から公安もマークしていたキム容疑者が2本のナイフを隠し持ち、事前の参加申請もなく会合に入り込んで大使に近づいた。南北問題での活発な活動で知られていた同容疑者は「顔パスで入った」(韓国の当局者)とみられ、会合の主催者と警察の不手際は隠しようがない。

 ▽低頭

 韓国では、シャーマン米国務次官が2月末にアジアの政治指導者は「旧敵国」を安易に中傷すべきでないと述べたことに、従軍慰安婦問題での日本への要求を自制するよう韓国に迫るものだとして反発が続いている。

 3日にはソウルの米国大使館前で抗議集会が開かれ、政府の対米外交への批判も噴出。一方で米国でも、韓国世論の反応は「理解を超えている」との不快感が生まれていると外交筋は話す。そんな中で起きた衝撃的な事件に、韓国政府当局者は「(米韓の)同盟への否定的な認識や誤解が米国内で広がる」と懸念する。

 キム容疑者はシャーマン氏の発言は犯行と「関係ない」と述べているが、「韓国が米国に配慮しなければならない状況は同じ」(別の韓国政府当局者)。韓国政府は米韓双方の首都で閣僚や大使、公使などあらゆるレベルのパイプを動員し米政府に「遺憾」の意を伝えて回り平身低頭だ。

 ▽対立

 訪問先のアラブ首長国連邦で事件の報告を受けた 朴槿恵 (パク・クネ) 大統領は「(襲撃は米韓)同盟への攻撃」だと激しく非難した。これに対し北朝鮮メディアは、キム容疑者の行動は「米国への懲罰だ」と“反論”した。

 事件を受けて5日、ソウルでは保守団体が南北交流事業を批判する抗議集会を開催。一方、左派系団体は「政府が襲撃事件を口実に公安捜査を強化しようとしている」と非難した。事件を契機に、南北の対立だけでなく、韓国内の左右の対立も一層激化しそうな様相だ。(ソウル共同=粟倉義勝、長尾一史)

(共同通信)

2015/03/06 12:05

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