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主要国に空母増強の動き 安保情勢の不安定化背景


 各国の空母保有状況(写真は新華社など)
 主要国で空母配備を増強する動きが広がっている。ロシアのウクライナ南部クリミア編入や、中東での過激派組織「イスラム国」台頭に象徴される国際情勢の不安定化を背景に、軍の機動力を高めて安全保障と自国権益を確保する狙いだ。攻撃性に優れる空母が増加すれば、国際的緊張の高まりにつながる可能性がある。

 米国は1975年に就役した世界最大の原子力空母ニミッツと同級艦9隻の計10隻を保有。建造中の次世代空母1隻を含む11隻体制を維持している。約5千~6千人が乗り組み、戦闘機が離着艦する「洋上基地」は米海軍力の象徴だ。

 海軍は次世代空母3隻を建造し、2番艦以降はニミッツ級と順次交代させる方針。1番艦ジェラルド・フォードは開発費を含めた建造費が135億ドル(約1兆6千億円)といわれ、財政への負担は大きい。

 しかし同組織への空爆ではペルシャ湾に展開した空母を拠点にしたFA18戦闘攻撃機などが威力を発揮。新米国安全保障センターのブリムリー上級副所長は「空母は抜群の能力を備えている」と意義を強調する。

 英国では昨年8月に退役した1隻に代わって、2020年配備を目標に新空母クイーン・エリザベスと姉妹艦プリンス・オブ・ウェールズを建造中。英海軍史上最大の軍艦になる。

 建造費62億ポンド(約1兆1360億円)が頭痛の種で2隻目を就役させるか未定だったが、キャメロン首相は昨年9月、ウクライナ危機への対応を協議した北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の際、2隻目も就役させると言明。新型空母保有は「英国の安全保障と繁栄への投資」だとした。

 フランスは01年就役の原子力空母シャルル・ドゴール1隻を保有。

 ウクライナ危機で唯一の空母アドミラル・クズネツォフを地中海に派遣し、欧米をけん制したロシア。公式な新空母建造計画は「ない」(ロゴジン副首相)が、クリミア編入後の昨年5月にはボリソフ国防次官が、将来原子力空母3隻を建造する予定だと発言するなど、増強論は根強い。

 「海洋強国」建設を掲げる中国はウクライナから購入した空母を改修し12年に「遼寧」として就役させた。香港紙などによると国産空母計2隻を建造中とされる。戦闘力誇示のほか、経済成長維持には海洋進出が不可欠との認識があるためだ。

 インドは英国とロシアから購入した2隻体制。さらに初の国産空母を既に進水させ、18年就役を目指す。インド洋で存在感を高める中国への対抗策の一環とみられる。

 2隻を持つイタリアは3隻目の建造を検討。老朽化した1隻を持つブラジルは2隻の新規購入を要望している。タイの空母1隻は災害対応が主目的だ。日本は空母を保有していない。(共同)

 2008年7月、長崎県・佐世保港へ入港する米原子力空母ロナルド・レーガン

 ▼保有は「大国の証し」

  【識者談話】小谷哲男 (こたに・てつお) ・日本国際問題研究所主任研究員の話 空母保有は「大国の証し」だが、建造や維持管理に巨費を要し10隻以上持てるのは米国以外ない。本国から遠くへの兵力投入に空母を使っているのは米国だけで、他国の空母は沿岸防衛が主目的だ。だが1970年代に空母18隻を有した米国の海軍力は相対的に低下、この15年ほどで海洋安全保障の環境は変わった。中国が米国のような空母の運用に移行すれば国際情勢の不安定化につながるが、それには艦載機パイロットの養成などが必要。5年や10年でできることではない。(共同)

(共同通信)

2015/02/24 17:11

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