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【邦人人質事件の政府検証】秘密法「盾」に開示限定 教訓薄れる懸念も


 邦人人質事件の政府検証をめぐる主な発言(似顔 本間康司)
 政府は中東の過激派「イスラム国」による邦人人質事件をめぐる対応の検証作業に近く着手する。ただ、安倍晋三首相は情報収集活動などで、開示できない「特定秘密」が含まれることを示唆し、官邸や外務省でも「テロリストに手の内はさらせない」(首相周辺)と及び腰が目立つ。特定秘密保護法が「盾」となり、検証内容の国民への開示は限定的となりそうで、野党からは将来への教訓として生かせないとの懸念が出ている。

 「テロの脅威から安全な国はどこにもない。私は間違っていなかったと考える」。5日の参院予算委員会。首相は、1月の中東歴訪に関し「最悪の事態は想定したのか」と、政府対応をただした民主党の福山哲郎幹事長代理に反論。イスラム国対策への2億ドルを拠出すると表明した政策演説を問題視する声も踏まえ「テロリストに過剰に気配りする姿勢はとらない」と力説した。

 その「適切な対応」を裏付けるとみられる検証作業は、警察官僚出身の杉田和博官房副長官が仕切り、政府内部で進める見通しだ。2013年のアルジェリア人質事件の検証では有識者会議を設置したが、今回は有識者の会議体はつくらずに、個別に意見聴取する形が構想されている。

 政府高官は「国と国の間で、絶対表に出せないことがある」と予防線を張る。国会答弁でも、ヨルダン政府とのやりとりだけでなく、イスラム国側が後藤健二さんの妻に送った電子メールの本数も「明らかにすることはできない」(岸田文雄外相)とした。菅義偉官房長官は記者会見で、報告書をまとめて公表するか問われ「必要があるかどうかも含め、まず政府内部で議論したい」と語るにとどめた。

 検証対象の期間も曖昧だ。福山氏は、政府が後藤さん拘束を把握した昨年12月3日以降の対応について「ここを検証しなければ次への糧にならない」と強調したが、岸田氏は「さまざまな状況の中で、最も効果的な方法を追求した」と、正面から答えなかった。

 政府の情報収集活動を「外部の目」でチェックする難しさは各国に共通する。米国では上下両院の情報特別委員会が秘密会などの形でチェック役の一端を担う。昨年12月に上院情報特別委がブッシュ前政権下で中央情報局(CIA)がテロ容疑者に行っていた過酷な尋問に関する報告書を公表し、波紋を広げた。

 日本では特定秘密の運用を議会がチェックする「情報監視審査会」の設置が決まったが、実効性は未知数だ。

 漏えいに厳罰を科す秘密保護法は中長期の検証も困難にする可能性がある。岸田氏は予算委で「ヨルダン政府との交渉に関する情報も、特定秘密保護法の指定要件に該当し得る」と説明した。首相も4日の答弁で同様の認識を表明している。

 同法は指定期間を原則30年とするが「安全保障上やむを得ない」場合には内閣の承認を受けて60年まで延長できる。「外交交渉に不利益を与える恐れがある情報」を含む7項目は半永久的に指定することも可能だ。

(共同通信)

2015/02/06 14:40

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