【裁判員】性犯罪を隣の県に移して裁くことができないか
裁判員の男女比もどうにかならないか 【女性記者の目線で考える】どんなに配慮をしても、被害者はまた傷ついてしまうかもしれない。でも多くの人が「こんな犯罪や二次被害は許されない」と気付くなら意味がある。裁判員裁判で初めて性暴力事件が裁かれた、2009年9月2~4日の青森地裁公判。…被害者が傷つかない一層の配慮や、裁判員の男女比がどうにかならないか、あるいは性犯罪を隣の県に移して裁くことができないか。自分たちの手で変える努力をサボってはいけない。陪審制が200年続く米国ですら、法律家と市民が常に改革を模索している。…(2009年12月2日、共同通信記者・飯田裕美子)(「性暴力と裁判員」-47特集「ウーマンアイ」)より) この記事「性暴力と裁判員」の全文を読む
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◆裁判員記者会見について青森の報道各社が意見書--取材制約の改善求める(東奥日報)
◆9月2日、青森地裁で全国3例目の裁判員裁判が開かれた。初の性犯罪だったため被害者のプライバシー保護が課題になった。詳細は東奥日報の特集をご覧ください
◆強盗致傷罪で東京地裁に起訴された男性被告(43)の弁護人を務める川村理弁護士は9月1日、地裁に対し「裁判員法は、裁判員らに対する基本的人権や、被告の防御権を侵害し憲法違反だ」として、裁判員裁判を適用せず、裁判官3人で審理するよう申し立てたことを明らかにした。…記事全文
▼新聞社の特集ページ 西日本新聞 南日本新聞 河北新報 東奥日報 琉球新報
なぜ刑事裁判に限ったのか 【愛媛新聞のコラム】 …裁判員裁判は法廷に市民感覚を導入するため、と説明される。ならば、なぜ刑事裁判に限ったのか。「法の番人」といわれる裁判官が、市民感覚を持ち合わせていないことこそが問題なのではないか。…▲一部とはいえ、国民の司法参加が確かに実現した。しかし、司法関係者にはこれで事足れりと思ってもらっては困る。公判前整理手続きや裁判官と裁判員の評議など、あまりにブラックボックスの部分が多すぎるのは気になる点だ▲裁判だけではない。公判以前の問題点もある。裁判官が関与する逮捕令状の発布や拘置場所の決定など。…裁判所は捜査機関でなく、国民と向き合うべきだ…裁判員裁判に寄せる関心を、司法全体に広げていきたい。(2009年11月25日付「地軸」)全文
裁判員に過度の負担がかかってはならない 【宮崎日日新聞のコラム】 …宮崎地裁で3日間にわたって開かれた本県初の裁判員裁判。…公判は大過なく進み、閉廷後に会見した裁判員からは「分かりやすかった」「いい経験だった」などの感想が聞かれた。本県での裁判員裁判と時同じくして長崎地裁では、被害者保護に細心の注意が求められる性犯罪事件の裁判が開かれている。また仙台地裁では、被害者の遺体が見つからない中、被告が容疑を否認している殺人事件の裁判が控えている。本県でも将来、こうした「より難しいケース」を扱うことが出てこよう。その際にも裁判員に過度の負担がかかってはならない。…(2009年11月20日付「くろしお」)全文
犯罪報道変える可能性 【大分合同新聞のコラム】 県内では先週、初の裁判員裁判があったが、同制度を機に小社を含むマスコミが始めたのが、容疑者を犯人と決め付けない、報道だ。一般の裁判員たちに予断を与えないというのが大きな理由である。…制度に課題はある。しかし、国民参加による裁判内容の変革は大きく、今後の犯罪報道をさらに変える可能性がある。日本のマスコミも抜きつ抜かれつの捜査や逮捕報道から、裁判報道へと軸足を移す。そんな日が来るかもしれない。
(社会部長・清田 透)(2009年10月20日付「風」)全文
基準に沿った機械的な死刑判決に裁判員を参加させていいのか 【西日本新聞のコラム】 カタカナ語は新聞ではできるだけ日本語に言い換える。訳語を添えて使うケースも増えた。このところ毎日のように見る「モラトリアム(返済猶予)」はその一つ▼亀井静香金融担当相がさかんに口にしている。持論の「中小企業向け融資などの返済猶予」構想を指す。‥▼一時停止、一定期間の停止を意味するモラトリアムは「核実験」や「遺伝子組み換え作物の輸入」でも使われてきた。日本でもっと登場していいものに「死刑執行」のモラトリアムがある‥基準に沿った機械的な死刑判決に裁判員を参加させていいのか‥(2009年10月1日付「春秋」)全文
距離感が一気に縮まった 【秋田魁新報のコラム】 484件。いきなりこんな数字を掲げて恐縮だが、実は戦前の陪審制の審理に付された数である。1928年に始まったものの制度上の問題や時代状況もあって定着せず、戦況が悪化した43年に停止する
▼それから66年。今度は裁判員裁判がスタートした。第1号となった8月の東京地裁での殺人事件では「ついに始まったか」と思いながら、どこか距離感があった。それが、きのうは一気に縮まった。普段目にしている秋田地裁でも始まったのだ…(2009年10月8日付「北斗星」)全文はこちら
地裁から呼び出し、まるで召集令状 【山梨日日新聞のコラム】 「正当な理由がなくこの呼び出しに応じないときは、10万円以下の過料に処せられることがあります」。先ごろ、山梨県内の裁判員候補者の元に甲府地裁から「呼び出し状」が届いた▼県内初となる裁判員裁判。通知を手にした北杜市の男性は「召集令状を受け取ったような感覚」と話す。…「呼び出し状」は江戸時代、奉行所が罪人に出した召喚状の名称…司法関係者の間では当たり前のように使われるが、一般市民にとっては「お上」のにおいがする言葉だろう。裁判所と国民との距離を縮め、司法に市民感覚、社会常識を反映させる、という制度導入の趣旨とは乖離かいりしているかもしれない…(2009年10月1日付「風林火山」)全文
予習なら最高裁ホームページ 【河北新報のコラム】 裁判員制度による審理が各地で行われ、仙台でも11月に初の裁判員裁判が開かれる。いつかは裁判員の通知がくるかもしれないと、気が気でない人も多いだろう▼そこで、予習にお薦めなのが、最高裁のホームページだ。「裁判員制度」の項目をクリックすると、イラスト付きの易しい解説が見られる。広報用映画で家族そろって学ぶこともできる▼題名は『裁判員—選ばれ、そして見えてきたもの』。…(2009年9月24日付「河北春秋」)全文 最高裁の裁判員特集ページ
性犯罪も裁判員裁判で 【東奥日報のコラム】 アダムが、その肋骨(ろっこつ)からイブを作ったのではなく、イブたちが後になってアダムを作り出した。つまり生命の基本仕様は女なのだ。生物学者の福岡伸一さんが、著書「できそこないの男たち」(光文社新書)で、そう述べている。…
福岡さんの語るところは、現代の分子生物学が明らかにしてきたことだ。Y染色体上にある性決定遺伝子の発見や、女から男になる身体の構造の変化などを分かりやすく解説、目からうろこが落ちる思いだった。こんな文脈に、女性の性的自由を奪う男性の暴力を置いてみれば、どんなふうに映るか。
むろん等しき性を前提にした近代の法と人間精神からして、厳しく戒められてきたことだ。なのに世上から消えないのは、人の自然をどこかで忘れてしまった男の性の傲岸(ごうがん)にほかなるまい。性犯罪を裁く全国初の裁判員裁判が先週、青森地裁であった。報道に接しつつ、そんなことも頭をよぎった。…(2009年9月8日付「天地人」)全文はこちら
東北初 【河北新報のコラム】 気の毒に思えば思うほど、その人と向き合うのが、むしろつらくなる。誰もが人生の折々に体験することとはいえ、公の場でとなれば、また別の重みを感じるのではないか
▼東北初の裁判員裁判がきのう、青森地裁で始まった。審理するのは強盗強姦(ごうかん)事件。性犯罪が裁かれるのは全国でも初のケースだ。人を裁く重圧に、性犯罪被害者の声に耳を傾けるつらさが加わる…(2009年9月3日付河北新報のコラム「河北春秋」)全文はこちら
被害者への配慮 随所に 【 東奥日報】 …裁判では、被害に遭った女性を「Aさん、Bさん」と匿名で表すことを確認するなど、被害者への配慮が随所に見られた。性犯罪が対象の事件は、全国的に見ると裁判員裁判の約20%を占めており、モデルケースとしても青森地裁での審理が注目される。…(2009年9月2日)全文▽…冒頭陳述で田野尻猛次席検事は、被害者を匿名にし、居住地も市町村名までにとどめて読み上げ、犯行の状況を説明した。性犯罪がからむと思われる場面では「その後、被告人とAさんとの間で、資料に記載してあるやりとりがありました」とだけ述べた。…全文
【琉球新報のコラム】 全国2例目となる裁判員裁判の判決がさいたま地裁で言い渡されたが、記者会見で裁判員の発言を制止した地裁の対応が波紋を広げた▼「まだ30代半ばなので十分にやり直しが利く」。裁判長が被告人を諭した言葉をめぐり、記者が「皆さんの気持ちを代弁したものか」と質問。答えていいかを尋ねた裁判員経験者に職員が首を振り、この人は発言を控えた…言い渡しを終えた後、裁判官が自らの人となりをにじませながら更生を促す説諭にまで秘密を課すのは行き過ぎに思える…裁判員を特定しない形で評議の概要を公表するなど、守秘義務の重さと在り方を改める議論が必要ではないだろうか…裁判員の肉声を過度に封じることがないよう望みたい。(2009年8月16日付「金口木舌」)全文
【北海道新聞のコラム】 …審理が短期間で済むのは、検察側と弁護側の間で、争点や証拠が整理されているからだ。…旅行会社の登山ツアーを思い浮かべた。日程は3泊4日、帰る飛行機の時刻も決まっている。経験豊富なガイドがいるから、慣れないツアー客も、ついて行けばとりあえず安心だ。だがトムラウシ山の遭難のように、思いがけぬ危険がある▼危険は、たとえば足利事件だ。DNAの鑑定ミスで、無実の人が無期懲役にされた。あのとき、被告は犯行を自白し、一審の弁護人は有罪と信じ込んでいた。こんな場合は、裁判員裁判でも冤罪(えんざい)を見抜くのは容易ではあるまい…プロがあらかじめ整えた舞台の上で、あわただしく判断を下すのがどこまで「市民感覚」か。自分が人を裁く番が来たときを思うと、ベルトコンベヤーに載せられるようで落ち着かない。(2009年8月7日付「卓上四季」)全文
【写真】「刑事裁判ショーだ」 8月7日、裁判員制度反対グループが声明(共同通信)
【岐阜新聞のコラム】 分かりやすく、視覚的になったからといって裁判の平易さを意味しない。▼司法の変革で求められるのは、当事者に裁判がどう変わることができるかだろう。足利事件で17年半に及んだ冤罪(えんざい)が判明した菅家利和さんが「刑事が傍聴席にいるのではないか」と裁判を受け止めていたことも司法の課題の一つといえる。▼県内でも裁判員裁判は、岐阜市で起きた殺人未遂事件を対象に10月6日から岐阜地裁で行われる。法廷に目を向け続ける必要がある。(2009年8月5日付「分水嶺」)全文
【中日新聞のコラム】 …気になるのは、裁判所の硬直的な発想だ。東京地裁は「個人情報を出すことは想定していない」という理由で選任された裁判員の年代、性別を明かすことを拒んだ。市民の常識を生かすための制度導入ではないか。裁判員は記号でいいというのだろうか▼裁判員を「お飾り」にしないためには、重すぎる守秘義務を見直すことが求められる。六日の判決後には、記者会見が予定されている。重責を果たした晴れやかな笑顔を見たい。(2009年8月4日付「中日春秋」)全文
【北日本新聞のコラム】 きのう東京地裁で始まった裁判員裁判の裁判員の男女比を聞いて、ちょっと驚いた。6人の裁判員中、女性が5人で男性は1人。男女半々が理想だろうが、選任方法はくじというから、こればっかりは致し方ない。もっとも選任手続き前に報道各社が行った候補者の取材では、女性の方が前向きに臨んでいたような印象がある。「人の人生にかかわるかもしれない判断をするのでしっかりやりたい」といった決意めいた答えから、緊張感と責任感がひしひしと伝わってきた。…(2009年8月4日付「天地人」)全文
【山陰中央新報のコラム】 …島根県内では松江市で起きた放火事件がその第1号。松江地裁で開かれる歴史的な初公判は、7月下旬から8月にかけてとなりそうだ…
▼DNA再鑑定で無期懲役判決が覆されそうになるなど司法の無謬性が危うくなっている。プロの裁判官でも冤罪(えんざい)に手を染めかねない
▼素人の常識が冤罪に素朴な歯止めをかけるのか、それとも加担してしまうのか。…(2009年6月9日付「明窓」)全文はこちら
【北日本新聞のコラム】 …単に菅家さんの名誉を回復するだけでなく警察や検察の捜査がどのように進められたのか、冤罪の図式をぜひ明らかにしてほしい。裁判員制度が始まり、来月にも裁判員裁判が開かれる。科学的捜査と説明を受けてもそれが誤っていたり、自白があるとされてもそれが虚偽だったら、裁判員は何を信じていいのか分からなくなる。冤罪の解明は裁判員制度にも資するところが大きい。(2009年6月5日付「天地人」)全文
【西日本新聞のコラム】 裁判員制度がきょうスタートする。戦後最大の司法改革と政府は言う。判決に市民感覚を反映させて司法への信頼を高める。そのための扉が開く
▼はずだったが、開く音にきしみが交じる。裁判官と同じ席に座ることになる側の疑問、不安がきしませる。世論調査によると参加に消極的な人が多い。何が国民をためらわせるのか…
▼極刑への関与をなくすだけでも様子は違ってくる。民意を司法に、ということでいえば民事・行政訴訟のほうが似合う。3年後の見直し規定があるが3年も待てない。…(2009年5月21日付「春秋」)全文はこちら
【上毛新聞のコラム】 …「人を裁く自信がない」という声は相変わらず多い。法治国家では法律に守られ、法律を守って暮らしていると分かっていても、いざ自分が裁く立場に-となると拒否反応を示してしまうのも分かる…
▼司法はプロのもの、素人には理解できないもの、という風潮がある。だが裏を返せば「プロはその道以外のことには疎い」ともいえる。裁判員に選ばれた市民それぞれの「常識」という名の物差しに期待したい。 (2009年5月20日付「三山春秋」)全文はこちら
【長崎新聞のコラム】 人が犯罪を起こした疑いで逮捕されると、新聞社はそれを記事にする。いわゆる事件報道だ。この報じ方について、長崎新聞は3月1日から改善運用を始めた▲なぜ「改善」かと言うと、実際のきっかけは、あす始まる裁判員制度だ。国民が刑事裁判の判決に加わるこの制度をめぐる論議がここ数年続く中、法曹の側から報道に対する危惧(きぐ)が盛んに表明された。「現状は容疑者に対する犯人視報道があり、裁判員になり得る国民が裁判前に、事件に関し予断を持つ恐れがある」と▲確かに私たち新聞は犯人視報道の傾向を元々(もともと)、自覚していたし、改善の必要も感じていた。…(2009年5月20日付「水や空」)全文
【信濃毎日新聞のコラム】 …米国に興味深い研究がある。誤判防止に携わる大学教授らが、虚偽の自白が証明されている125の事件を探し出して調べたところ、有罪判決が35%に上った。うその自白は若年層に多く、しかも重大犯罪に集中しているという◆この研究は、「なぜ無実の人が自白するのか」(日本評論社)として邦訳が出ている。心理的な抑圧などが偽りの自白を引き出し、それが裁判にも大きな影響を及ぼす怖ろしさを実証した貴重な報告だ。…司法への市民参加をバネにして、公正で透明な捜査や、より開かれた裁判へと変えていく-。具体的な改革が大事になる。それがなければ、新しい制度も根付かないだろう。(2009年5月19日付「斜面」)全文
【熊本日日新聞のコラム】 「科学とは、ある結論を肯定するために、そうでないものを一つ一つつぶしていくこと」ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英京都大名誉教授(69)が先日、京都大で新入生らにこんな講演をした▼不純物のない蒸留水のように、疑問や反証の余地がなくなったものを科学と呼ぶのだろう。…(2009年5月10日付「新生面」)全文
【上毛新聞のコラム】 …欠点や欠陥を意味する「瑕疵(かし)」、理由や原因とほぼ同義の「事由」は、法廷で頻繁に使われるものの一般になじみが薄い。厳密に使い分けされている「前科」と「前歴」、「慣習」と「慣行」の違いなどはもっと分かりづらい▼そんなガラパゴス状況の中で、裁判員に選ばれた人たちは有罪か無罪、有罪ならその量刑を決めなければならない。緊張するとしても無理はない。(2009年5月10日付「三山春秋」)全文
【「もしも被告に」…裁判官の裁判48%希望】 …自分や家族が刑事事件の被告になった場合、どのような裁判で判断してほしいかを尋ねたところ、約五割が裁判官だけの裁判を希望していることが分かった。…(2009年5月3日、神戸新聞) この記事の全文はこちら
【四国新聞のコラム】 裁判員制度は違憲だ、という声がある。例えば、憲法には国民の司法参加を規定した条文がない。…あるいは裁判官以外の人が裁判に加わった場合、憲法で言う「公平な裁判所」でなくなってしまう、「裁判官の独立」も侵害される―。…死刑判決が出そうな裁判への参加を国民に強いることが、果たして合憲なのかどうか。毒物カレー事件など死刑判決が出るたびに、裁く自分を想像し、気が重くなっている人もいよう。…裁判員制度は、死刑制度のあり方についても考える機会になりそうだ。(2009年4月23日付「一日一言」)全文
【西日本新聞のコラム】 …死刑求刑事件の裁判員になった自分を想像してみよう。例えばきのう最高裁でも死刑判決だった和歌山の「毒物カレー事件」▼動機が不明なうえに状況証拠だけでもプロの裁判官は1審から断罪してきた。それを可能にする高度な知識も判断力もない裁判員は多分うろたえる。そもそも、市民に極刑判決への関与を国が強いることはできるのか。以前からある疑問は、開始が1カ月後に迫っても消えない。(2009年4月22日付「春秋」)全文
【写真】裁判員制度に反対しデモ行進する人たち=2009年4月21日夜、東京・有楽町(共同通信)⇒反対デモの記事も読む
【岩手日報のコラム】 …裁判は、人間が神の領域に身を置く行為だろう。法廷で裁判官が黒い法服を身にまとうのは、何色にも染まらない独立公正な立場を象徴するといわれる。…今のところ、裁判員に選任された国民に法服着用の必要はない。一般市民の「健全な社会常識」を司法に生かすという趣旨に照らせば、裁判員は「人間」らしくあっていいということか。「人間」であれば、裁判員という特異な体験を誰かに話したいと思うのは「健全」な情動だ。それを、最高懲役六カ月の罰則付きで生涯にわたり抑える守秘義務には、国民の間に依然根強い疑義がある。…(2009年4月22日付「風土計」)全文
【福井新聞のコラム】 …毒物のヒ素がカレーに混入された異様な事件から10年9カ月。最高裁は殺人などの罪に問われた林真須美被告の上告を棄却し一、二審の「死刑判決」を支持した▼長い年月をかけて一応の終結を迎えた。しかし後味はスッキリしない。自白もなく物的証拠もない。状況証拠を積み重ね、犯人であることに”合理的な疑い ”がないと判断した▼被告の肩を持つわけではないが、何よりも無差別殺人という非道な事件の裁判で、動機は分からないまま、事の真相も明らかにされないまま”一件落着”というのも釈然としない▼判決が下されたきのうは、裁判員制度がスタートするちょうど1カ月前。わが身に重ねて…(2009年4月22日付「越山若水」)全文
【47コラム】 なぜ今なの。この疑問がこのところ増えて困る。…京都府舞鶴市の高一少女殺害事件の60歳男逮捕。直接の物証も自供もないのに、なぜ今?なのである。…警察庁長官が定例記者会見で否定しなければならないほど、まことしやかな裁判員制度がらみの観測・怪情報が出回っている。…5月から始まる裁判員裁判にこの事件がかかるのを捜査当局が避けようとした、という観測のことだ。「プロの裁判官」なら直接証拠がなくても状況証拠の積み重ねだけで有罪にしてくれる可能性があるが、「シロウトの裁判員」たちだと、そんな考え方になじみが薄いから却下されてしまうかも。捜査当局がそんなことを考えたという推測である。…シロウトは頼りにならないと私たちも言い始めたら(あるいは腹の底で実は感じているとしたら)、裁判員制度なんか持つ資格は、私たちにない。…裁判員制度の実施は延期ないし中止したほうがいい。それを決めるのは今からでも遅くはない。
(2009年4月9日 憲) このコラムの全文はこちら
【沖縄タイムスのコラム】 …「くるさりんどー」発言をめぐり、弁護士が被告に「ぶっ殺すというほど強くはない、こらしめるくらいの意味ですね」と確認する▼本土出身の裁判官にウチナーグチの微妙なニュアンスを伝えなければならないのだ。やがて始まる裁判員制度で、そんな場面が増えるかもしれない。例えば転勤族が裁判員になり、宮古言葉しか話せないお年寄りが陳述すると…▼すれ違いざま「ばか者」たちが道を譲らないので注意する「べき」と思った―のが事件の発端だったとしても、意味するところ「若者」らに注意でも「した方がいいかな」ていどの軽い意思である▼こんな場合は法廷通訳が必要となろう。…(2009年4月19日付「大弦小弦」)全文
【河北新報の記事】 津軽弁の「じぇんこ、出せ」は「金を出せ」の意味。5月の裁判員制度開始に向け、全国の警察が4月から導入している取り調べの一部録画で、青森県警が調書の津軽弁に標準語の訳を付けている。転勤などで青森に移り住んだ人が裁判員に選ばれ、難解な津軽弁の供述に出くわした場合、内容を理解できない恐れがあるためだ。…(2009年4月19日)全文
【岐阜新聞のコラム】…江戸時代後期、上方で生まれた「にわか」芸が今も美濃市に伝わる。美濃まつりの夜、15町内の「流し仁輪加(にわか)」連がその時々の出来事を寸劇に仕立て、路上で演じる。…裁判員制度はにわかコンクールで優勝した広岡町広友会の作品。裁判員に選ばれた魚屋の悩み(守秘義務)や不安(量刑を決める)が話の筋立て。八百屋と花屋が店づくし(ダジャレ)で笑いを取りながら法律に疎い魚屋に裁かれたくないとこき下ろす。魚屋はみな「サバ、カレイ、タイ」と頼みに来ると落とす。…「しゃべりたくなったら畑に穴掘って『王様の耳はロバの耳』と大声で叫び、人相の悪い被告人は仕返しされないよう無期懲役に」。祭り限定のブラック・ジョークだが、庶民の本音かも。(2009年4月16日付「分水嶺」)全文
【岩手日報のコラム】 …国民が裁判にかかわるようになると、裁判官がより身近な存在になるのは間違いない。どんな人が、どんな考えを持っているのか。知人から届いた「裁判官のお弁当」という東海テレビ制作のドキュメント番組を見た。▼名古屋地裁刑事一部の裁判長を中心に裁判官の日々の仕事ぶりをカメラが追う。タイトルは奥さん愛用の自転車に乗って通勤する裁判長の昼食と夜食用の2つの弁当から付けた。…(2009年3月22日付「風土計」)全文
【神奈川新聞のコラム】…裁判官が手掛ける審理は一つとは限らない。むしろ掛け持ちが多い。転勤もあるから最後まで同じ審理にかかわれないことも珍しくない。だから法廷のやりとりは書面に残す。審理が長引けば書面もかさむ。紙裁判の別名にはそうした事情がある
ただ日本の法廷ではよくある成り行きも海外では見られないという。裁判員制度づくりに携わった早大法科大学院教授の四宮啓さんは神奈川政経懇話会で、そんな法廷のありようを「ガラパゴス的」と評した…(2009年3月3日付「照明灯」)全文はこちら
【山陰中央新報のコラム】やはりこの制度には無理があるのではないか、と思わせる裁判の判決が先週、東京地裁で下された。東京都内のマンションで若い女性が同じマンションに住む男に殺害され、死体を切断されたうえ遺棄された事件…(2009年2月24日付「明窓」)全文はこちら
【下野新聞のコラム】 …刑事裁判が変わり始めた。被害者・遺族が法廷に入り、質問し、意見を述べることができるようになった。市民が参加する裁判員裁判も近く始まる。感情的な要素を排除してきた法廷に被害者・遺族という激しい思いを抱えた人間が存在することになる▼一方、裁判員はわたしであり、あなただ。事件には当事者だけでなく圧倒的多数の大衆が存在する。大衆の熱、当事者への共感や義憤といったようなものも事件を構成する要素だ。それを裁判の中に組み込むことになる。今の裁判を変容させることは間違いない。(2009年2月22日付「雷鳴」から)
【山梨日日新聞のコラム】 「ズッコケ三人組」のハチベエが裁判員を務めた。小学校6年の男児らが活躍する那須正幹さんの人気児童文学シリーズの、40代になってからを描いた続編でのことだ▼最新作「ズッコケ中年三人組age43」(ポプラ社)…肩ひじ張らない裁判員制度の入門書にもなる1冊だ…適正な裁判員裁判のために何が大切か。那須さんは、ハカセの言葉で「要は教育なんだよ」として「子どものうちからしっかりと学ぶことが必要なんだ。だっておとなになればだれもが裁判員になる可能性があるんだからね」と語らせる…来年の開始時には間に合わないにしても、教育での意識付けに取り組まなければ制度定着はおぼつかない。(2008年12月20日付「風林火山」から)
【河北新報のコラム】 裁判官の合議って、一体どんな様子なんだろうか。法廷で取材する記者たちにとって、まず知り得ない魅惑の秘密の一つである▼推理小説作家夏樹静子さんの『量刑』は裁判長が主人公。部下の2人と刑の軽重を話し合うやりとりが濃密に描かれる。裁判官経験者への取材に基づいているのだそうで、その綿密さをうかがわせる▼裁判員候補者通知の発送に合わせて、裁判員裁判を模擬体験するゲームソフトが発売された。…各地で開かれている模擬裁判に夏樹さんが裁判員役で招かれたことがある。「量刑の相場が全く分からないから」と戸惑った感想を話したとか。うむ、夏樹さんでさえそうなのか。やれやれ。…(2008年12月16日付「河北春秋」から)
【静岡新聞のコラム】 …通知書はきょうにも届けられるというから、裁判員制度はもはや人ごとでは済まされない。時期尚早の声もあり、実施に待ったをかけようとする動きもある。だが、半年後のスタートに向け、動き出したことは間違いない▼最高裁の新長官人事は、裁判員制度をにらんだものだったという。新長官に就任した竹崎博允氏は米国で陪審制度を学び、裁判員制度導入の提言をまとめる際などに主導的な役割を果たした人物だ…(2008年11月29日付「大自在」から)
【千葉日報のコラム】 …県弁護士会の一部弁護士から「裁判員制度の抜本的見直しが必要」と同制度の施行延期を求める決議を議題とする臨時総会が呼びかけられ来年一月に総会が開かれる。…「やはり」と思った。総会招集請求書に署名したのは会員総数(四百五十人)の四分の一強の百三十人。…元厚生事務次官殺傷事件など凶悪で動機不明な事件が増加する中、捜査をはじめ真相解明のための公判もますます複雑、困難な局面が予想される。…(2008年11月28日付「忙人寸語」から)
【南日本新聞のコラム】 …当たったらどうしようと不安でドキドキするのが、来年5月に始まる裁判員制度の候補者通知かもしれない。…もしや届いていないか、ポストの中が気になる人もいよう▼日本世論調査会の3月調査では、「務めたくない」という消極派が7割以上を占めた。重要な判断をする自信がない、逆恨みの恐れがある、などが理由に挙がる。選ばれて現実の問題と受け止めてから、一層不安が膨らむことが予想される▼「福運」と思ってもらえるよう、きめ細やかな配慮が欠かせない。(11月28日付「南風録」)全文
【新潟日報のコラム】 …年末ジャンボ宝くじ…二億円が当たる確率は一千万分の一である。小さめのガッツポーズが似合う五等一万円でも、千分の一の難関だ▼では、こちらのくじに当たった人はどんな表情を見せるのか。あすから最高裁は、裁判員候補者に選ばれた人に通知書を発送する。抽選される人は全国で約三十万人、本県では約三千人だ。県内の当選率は六百六十分の一だから、「五等一万円」より現実味がある▼…生涯に及ぶ守秘義務の重圧、死刑反対論をどう扱うかなど不安は尽きない…開始まで残り半年で国がなすべき課題は多い。(2008年11月27日付「日報抄」から)
【デーリー東北のコラム】 最初は耳を疑った。もうだいぶ前のことだ。その裁判官は、幾分うつむき加減でこうつぶやいたのだ。「裁判は、真実の追求の場なんかじゃないんだよ」。悲しげで、少し自虐的な目が忘れられない▼当然ながら、食ってかかった。「刑事事件では判決が歴史になる。審理で真実を示せないのなら、判決文に何の意味があるのか」と。しかし不思議と怒りはわいてこなかった。彼の悲痛な思いが伝わった気がしたからだ…(2008年11月16日付「天鐘」から)
【琉球新報のコラム】 …裁判員制度を導入するのは、市民が参加することで、分かりやすい裁判が実現され、裁判への理解が高まることを期待してのことだ▼沖縄返還密約訴訟をみると、政府が情報を開示していないことはほかにもあるのでは、と疑いたくなる。ならば国を訴える国家賠償訴訟にも市民感覚を導入したらどうか。(2008年11月14日付「金口木舌」から)全文
【山陰中央新報のコラム】 …「裁判員制度はいらない!大運動」という団体から声明文が本社に届いた。裁判員制度に反対する弁護士や大学教授らでつくっている団体である▼「ある日裁判所から呼び出し状が届き、応じなければ過料を科す。市民を拘束する迷惑千万な制度」として制度の廃止を求めている。何も悪いことをしていないのに、裁判所から一方的に呼び出されたうえ、裁判員の選任を辞退すれば違反金を取られる。戦前の赤紙でもあるまいにと反発する人も少なくない▼無理があると感じるのは、この制度が国民の側からわき上がったものではないからだ。裁判に国民が参加することは、司法の究極の民主化に道を開くが、国民の支持や共感に支えられてこそ民主化の実がある ▼国民が国民を裁くことの意味。その説明がまだ尽くされていない。(2008年5月11日付「明窓」)全文
神戸新聞のコラム…昭和三年から始まった陪審裁判は戦争激化で停止されるまでの十五年間に四百八十四件行われた。対象は重罪事件で、被告が希望した場合に実施された。陪審員は…有罪か無罪かの結論を出して裁判官に答申した。一方の裁判員制度は、裁判官と話し合い、量刑も決める…(2008年5月26日付コラム「正平調」)全文
東京新聞のコラム 「私は無罪を主張した」などと評議の内容を漏らせば、秘密漏示罪になり「六月以下の懲役又(また)は五十万円以下の罰金」に処されてしまう…「死ぬまで誰にも話せないなんて、すごく難しい。ストレスがたまる」。(2008年5月23日付コラム「筆洗」)全文
琉球新報のコラム 一昨年公開された邦画「それでもボクはやってない」の中に印象的なせりふがあった。「無罪判決ばかり出している裁判官は出世できないんだ」…裁判員制度は市民的常識を司法に反映する試みとして評価していい…(2008年5月18日付コラム「金口木舌」)全文


必要なのは裁判員制度の早期廃止だ
性犯罪を裁判員制度の対象にしたのは
セカンドレイプを一番むごい状態で行うことによって
親告罪である性犯罪を隠蔽する為としか思えない
投稿者 匿名 : 2009年12月29日 10:37