やはり大企業のサラリーマンたちに負担を求める案だったが… 【共同通信の記事】 厚生労働省が75歳以上の後期高齢者医療制度を廃止した後、2013年4月に導入する予定の制度案の概要が6日、分かった。…65~74歳(前期高齢者)の医療給付費の公費(税)負担を後期医療制度並みに50%まで拡大すべきか財政試算を実施。拡大した場合には国の財政を大幅に圧迫することが判明したため、公費の50%負担は現行のまま75歳以上に限定し、財政力が豊かな健康保険組合に負担を求める方針だ。…(2010年3月6日)全文
(47NEWSコメント) 公費負担(税金でまかなう社会保障費)はもう大きくは増やせない。そして高齢者にも保険料負担をこれ以上強いることができない。だから現役世代が「支援のカネ」をもっと出さないといけない-厚労省はこういうふうに考えたようだ。国の財政が厳しいので、どうしても大企業の健康保険組合(現役の大企業サラリーマンから保険料を天引きして運営している健保組合)に負担増を求めるしかない、という結論だ。
確かに大企業の健保組合の財政は比較的豊かだ。ただ、現役世代は高齢者のために既にかなり重い負担をしている。最近の健康保険料値上がりの重さは、財政破綻で解散する健保組合が出るほどだ。だから、更なる負担増を健保組合側があっさり受け入れるはずがない。普天間基地移設を受け入れようとしない本土各県のエゴに似た壁が、新制度案の目の前に立ちふさがるに違いない。民主党政権はこの巨大な壁を崩せるだろうか。いいかえれば、現役世代が内側からこの壁を崩す気になるだろうか。真価が問われるのは、政府側というより、現役国民の側である。(2010年3月7日、憲)
【西日本新聞のコラム】 …作家のなださんが6年前、74歳のときにインターネット上で旗揚げした仮想政党「老人党」は多くの人の知るところとなった。…年金先細りや医療費負担増に怒り「老人たちよ立ち上がろう」と呼びかけて党はできた
▼年齢制限のようなややこしいものはない。老人党を名乗った人が党員だ。年金不安などは高齢者だけの問題ではないからひそかにすそ野を広げ、総選挙でも小さからぬパワーを発揮したと思われる▼民主党内閣は後期高齢者医療制度の廃止も明言した。精神科医でもあるなださんは、日本は政権交代という手術が何度か必要なほど重症、と診てきた。二度目のことは今はさておき、伍(ご)していけるだけの復元力が自民党にあるのかどうか、老人党ならずとも心配になってくる。(2009年9月22日付「春秋」)全文 【47コラム】 鳩山政権は2008年4月に不評のままスタートした後期高齢者医療制度の廃止を掲げる。しかし、前身の老人保健制度に単純に戻すつもりはないらしい。だから現行制度がなくなるまでには、時間がかかりそう。そもそもある年齢以上の人たちだけ切り離した独立の社会保険制度は世界にも例がない。世代と職種を超えた保険医療の「一元化」を工夫したいところだが、それには抵抗勢力として現役サラリーマンたちの健保組合の連合会が立ちはだかる可能性がある。制度に慣れ始めた自治体の一部が廃止反対を表明しているのも無視できない。
何人かの知人の医師たちに聞いてみたところ、医療保険の「一元化」論は昔からある。老若を一つの枠に、というだけでなく、いろんな職種も一つの枠に、という一元化の構想だ。しかし現役世代のサラリーマンが加入する企業単位の健保組合の連合会と経団連がぜんぜん乗ってこなかった。協会けんぽ(旧政府管掌健保)、共済組合なども及び腰だ。だから「本当は一元化がいいんだけど、こういう利益団体が壁を作っていて実現はまず無理。だから現実的には公費負担(社会保障費)を増やすしかない」と、どの医師も口をそろえている。…続きを読む(2008年4月6日、9月29日、11月19日、12月22日、2009年3月17日、4月3日、9月21日更新 憲)
【岩手日報のコラム】 …麻生太郎首相が「高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」とまた舌を滑らせた。後期高齢者医療が始まった昨春、あれほどお年寄りを怒らせたのも忘れたようだ。…▼農家でなくとも、低年金で働かざるを得ない高齢者は少なくない。「元気な高齢者をいかに使うか。この人たちが納税者になれば社会保障は変わったものになる」との物言いは為政者と思えない。▼さすがに女房役の河村建夫官房長官が「首相はオウンゴールだけは避けて」と苦言を呈した。支持率が右肩下がりになった理由をよく考えてほしい。(2009年7月30日付「風土計」)全文
【愛媛新聞のコラム】 …昨年度からは健康保険組合に40~74歳対象の「メタボ健診」実施が義務づけられている▲初年度の県内受診率は市町国保で22%、事業所加盟の協会けんぽで31%と低迷。やっかいなことに受診率が低いと後期高齢者医療制度への拠出金が増やされる。いわばペナルティーだ…そもそも腹囲重視の基準では、肥満でない人の疾患リスクを見逃す恐れがあるとの指摘がある▲医師の鎌田實さんは健康で長生きするために「ちょい太」を提唱する。やせ過ぎはかえって病気にかかりやすいという。自分が健康と感じる体格を維持するのがよさそうだ。おなか周りも気にしつつ。(2009年7月27日付「地軸」)全文
【新潟日報のコラム】 後期高齢者医療制度の対象は75歳以上で、年で健康を色分けするようだと、相変わらず評判は良くない。その2008年度の医療費が11兆円を超え、国民全体の3分の1を占めたという。複雑な気分になった。本県の1人当たりの医療費が約70万円で全国最低というからだ…「正直、お金がなくて医者通いできない人は多い。でも、地域のつながりが、新潟にはまだ残っているからだと思えたら、うれしい」…(2009年7月6日付「日報抄」)全文
【長崎新聞のコラム】 …最近の雇用情勢の悪化もあり、低所得者ほど必要以上に受診抑制をする傾向にあり、保険料が払えず「無保険状態」も増えるなど現行制度のひずみも出てきている▲実施当初不評だった後期高齢者医療制度の見直しについても最近は聞かない。来る衆院選では年金問題も含め、こうした医療制度の在り方も争点にしてもらいたい。(裕)(2009年6月8日付「」)全文
【信濃毎日新聞の社説】 …現役世代の負担は限界にある。サラリーマンらが加入する各健康保険組合が08年度、65歳以上の医療費を賄うために拠出した負担金は大きく増え、保険料収入の5割近くに達する。約1500ある組合の9割が赤字の見通しだ。…与党のチームは先ごろ、見直しの基本方針をまとめた。負担軽減策が前面に出て、肝心の財源問題は先送りされている。未来の世代にこれ以上つけを回さず、安心できる医療制度の見取り図をどう描くのか。各党は政策を競い、総選挙の政権公約に掲げてもらいたい。人気取りの政策でなく、責任をもって負担の論議に踏み込めるかが問われている。有権者も目を凝らしたい。(2009年4月9日)全文
【琉球新報のコラム】 「交通事故に遭ってね。頭と足を打って40日間も入院していた」。版画家の儀間比呂志さんが近況を語る。「やることは、たくさんあるのに、これで終わりかと思ったよ」。多くの人に心配してもらったから、あいさつ回りをしているという▼儀間さんは、5月から絵本づくり講座を開き、ロックバンドのモンゴル800(モンパチ)と詩と絵の本を出版する準備を進めている。「モンパチ3人の年齢を合わせても僕のほうが年上。若い人から元気をもらおうと思ってね」▼ 儀間さんは86歳。…舛添要一厚生労働相が主宰し有識者で構成する「高齢者医療制度に関する検討会」が最終報告をまとめた。統一見解は示さず、後期高齢者という名称の早期見直しを明記したという。今後は与党が主導し見直し案を固める▼お年寄りが求めているのは名称変更ではなく、安心して暮らせる制度だ。 (2009年3月20日付「金口木舌」)全文
【福井新聞のコラム】 舛添要一厚生労働相は唐突に制度の抜本的見直しを口にした。麻生太郎首相も相乗り。2人の発言はそれから後退していった。麻生内閣の言う見直しはどこまで本気なのか。すっきりしない…(2008年10月6日付「越山若水」から)
【山形新聞のコラム】 …雲行きを案じてか、舛添厚労相が方針を打ち出したのが、とかく不評な後期高齢者医療制度の抜本見直しである。麻生幹事長も了承していると強調するが、公明党幹部は「聞いてない」と言うから、与党内の根回しも不十分な段階で舛添氏が“花火”を上げた格好だ。波紋が広がっている。このタイミングは足音迫る衆院選を意識しているのは明白。野党は早速「選挙対策の単なるパフォーマンス」と批判する。…新しい考えがあるなら聞こう。官僚の言いなりでなく、高齢有権者に阿(おもね)るでもなく、誰もが安心して年を取れる高齢者医療の将来像、その政治哲学が聞きたい。(2008年9月21日付「談話室」から)
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▼…前に宮崎市内の住職から「心で殺す」という言葉を聞いた。老親の介護に疲れふと「逝ってくれれば…」と思ってしまうことらしい。ここには人の心の悲しさがある。だが行政の論理優先の制度に人情の機微をくみ取るものは感じられない。(宮崎日日新聞2008年6月14日付「くろしお」)全文
▼…意外に知られていないのが、七十五歳以上の人が受ける「後期高齢者健診」に、腹囲測定が原則的にないことだ。七十四歳までの特定健診ではセットになっている保健指導も、盛り込まれていない。年を取ったらメタボの心配は無用、というのだろうか…(中国新聞2008年6月8日付「天風録」)全文
▼…七十五歳以上は戦争の時代を生き抜き、戦後の復興を支え、現役ではなくとも今なお、次世代に経験や知恵を伝えることのできる世代である。尊敬と感謝が制度の根底にあっていい。…(東京新聞2008年5月19日付「筆洗」)全文
▼老齢とは何か。そう問うて思想家の吉本隆明さんが言っている。自分の意志でやろうとすることと、実際の行動との背離が大きくなっていくことだと。外からは衰えや億劫(おっくう)にしか見えぬが、そこにはたくさんの思いや言葉が沈黙のうちに漂っているのだとも。・・・(東奥日報 2008年4月16日付「天地人」)全文
宮崎日日新聞5月21日付「くろしお」 宮崎日日新聞 4月22日付「くろしお」 中国新聞 4月29日付「天風録」 中国新聞 4月25日付「天風録」 山陰中央新報 4月17日付「明窓」 東京新聞 4月16日付「筆洗」 上毛新聞 4月16日付「三山春秋」





