「インターネットで事前に食事するお店を決めるように、有権者がネットでマニフェスト(政権公約)を見てから投票に行く時代になった」。ネット検索大手ヤフーのメディア企画部長、川辺健太郎(かわべ・けんたろう)さん(34)は話す。
候補者の経歴や公約などを提供するサイト「みんなの政治」を立ち上げたのが2006年。そのサイトで衆院選の投票締め切り直後から、実際の投票先とその理由を受け付ける企画「みんなどこに投票した?」を実施した。民主党優勢を伝える速報さながらに「自民党はもういい!」「とりあえず政権交代してみよう」などと投稿が相次ぎ、アクセス数は4時間で約1万回になった。
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07年の参院選前には、松岡利勝農相の自殺や後任の赤


城徳彦農相(いずれも当時)の事務所費問題などスキャンダルが相次ぎ「みんなの政治」そのものが月約1億回閲覧されたが、今回はその約1・5倍にも達したという。
今年7月には米検索大手グーグルの日本法人が、ネット利用者からの質問に立候補予定者が動画で答えるサイト「未来のためのQ&A」を新設。楽天も候補者の顔写真や略歴、政策などを紹介し、ネットを通じて個人献金ができるサイト「LOVE JAPAN」を始め、ネット大手がこぞって力を入れた。
政党もネットに注目。公明党はテレビCMから、より低コストで24時間、政策を訴えられるとしてネット中心に切り替えた。自民党もホームページ(HP)で民主党の政策や政治姿勢をやゆする動画番組を流した。
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公選法142条は選挙運動に使用できる「文書図画」を一定のはがきやビラに限定、選挙運動を目的としたHP開設や電子メール送信は違法になる。民主党はマニフェストで、誹謗(ひぼう)中傷の抑制策などを講じつつネットを使った選挙活動を解禁すると明記。過去にも公選法改正案を国会に提出したことがあり、解禁に向けた法整備が加速するのは間違いない。
川辺さんは「公選法を改正するよりも前に、実態上はネット選挙が本格化した」と来夏の参院選に向け、次の一手に思いを巡らせている。
衆院解散直前の7月14日夜、民主党本部のホールで、民間非営利団体(NPO)と同党との政策討論会が開かれた。
岡田克也幹事長も出席、会は予定の2時間を超えた。NPO関係者は自民党からも予算策定時などに意見聴取されたことはあるが、選挙前は記憶にないという。
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特定非営利活動法人(NPO法人)シーズ・市民活動を支える制度をつくる会事務局長の松原明(まつばら・あきら)さん(49)は、民主党が政策集「インデックス2009」の最初の項目に「NPO活動の促進・支援税制」を取り上げたことに注目する。08年版は4番目、07年版では16ページにあり、年ごとに順位が上がってきたからだ。
不況や構造転換の影響で企業や組織などに属さない個人が増え、松原さんは「NPOでなければ吸い上げられないニーズが増えた。政治はそこに目を向けるべきだ」と民主党の高感度を指摘。支援団体回りから選挙運動を始めた麻生太郎首相は「旧態依然」と映った。
内閣府によれば今年7月末現在、法律に基づき認証されたNPO法人だけでも3万8千近くある。とくに保健・医療や子ども育成支援など、民主党の立ち位置に近い分野で増加が目立っているようだ。
日本NPOセンター代表理事の山岡義典(やまおか・よしのり)さん(68)は「政策決定過程は大きく変わるだろう。そのどこかで発言できるようにしたい。党の政策担当部署に人を出すようなことがあってもいい」と期待する。(橋本昌明記者)


