千葉県の食品リサイクル会社「アグリガイアシステム」が、33億円余りの負債を抱えて民事再生法の適用を東京地裁に申請したのは7月7日のことだ。コンビニから受け入れた期限切れの弁当を飼料や肥料に加工する事業に、農林水産省も補助金16億円を投じ注目されていた。廃棄食品を生かす試みが一つ頓挫したが、一方で捨てる量自体を減らす動きは社会に確実に根付きつつある。
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セブン―イレブン・ジャパンの千葉県佐倉市にある加盟店オーナー、原田俊彦(はらだ・としひこ)さん(57)は今年2月、販売期限の近づいた商品を値下げする「見切り販売」に踏み切った。本部は見切りを認めていなかったが、廃棄量は4分の1に減った。
廃棄商品の回収を一時依頼していたのがアグリ社だ。セブン本部は2007年8月「循環型社会を目指し、都内全店舗の期限切れ弁当を百パーセント、リサイクルする」とぶち上げ、同年5月には佐倉市にアグリ社の巨大な飼料工場が完成していた。原田さんは「廃棄が減らせるなら」と業者をアグリ社に変えた。
しかし、昨年3月に回収料が月3万円から6万円に引き上げられた。ただでさえ自己負担で商品を捨てているのに、新たな負担も自腹。結局は別の業者に切り替えた。
千葉県資源循環推進課によると、セブン店舗からアグリ社に集まった廃棄弁当は計画の2割。製品の飼料についても、畜産関係者の間に「脂肪分が多く買いたたかれたのでは」との見方がある。
公正取引委員会は今年6月、見切り販売を不当に制限しているとしてセブン本部に排除措置命令を出した。見切り販売を続ける原田さんは「ゴミを減らすことこそがエコ。お客さんにも支持されている」と満足げだ。


農水省の07年度の統計では食品製造業や外食産業、小売店の食品廃棄量は年間約1130万トンで、60%が再生利用され約230万トンが飼料となっている。
東京都目黒区の権之助坂商店街は今年4月、食べ残した料理を持ち帰る専用容器「ドギーバッグ」を一部の飲食店で配布した。ケーキ箱のような白いプラスチック製で、防水も万全。評判は良かったが、ある加盟店では「実際に持ち帰ったのは一人だけ」だった。
知名度は上がっているが、エコバッグの時のような盛り上がりはない。ドギーバッグ普及委員会は原因を「食中毒が出た時に責任は店にあるとされるから」と分析。店側は積極的になれず、客の側も「店に嫌がられる」と遠慮があるといい、こうした心理の解消が普及の鍵になりそうだ。
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大手スーパーやメーカーから無料で受け取った食品を、児童養護施設や生活困窮者に配るフードバンク。00年に東京で誕生してから増え続け、農水省も本年度実態調査に乗り出した。兵庫県芦屋市のフードバンク関西は、約20社から定期的に食品を受け取っており、ここからの供給を「命綱」にしている人も多い。
事務局の浅葉めぐみ(あさば・めぐみ)さん(61)によると「例えば菓子やチーズは、企業が自ら設定した出荷期限が賞味

期限の半年も前に来るんです」。提供企業は「売れ残り」のイメージの悪さから、当初は自社の名を出すことを拒んだが、今はPRになると積極的になった。
08年の取扱量は98トン。コメの提供が減るなど不況もじわりと影響するが、提供された食品を調理してふるまう交流会には他県から見学も多く、拡大の兆しを見せている。(長谷川観自共同通信記者)


