「今日は彼女と一緒に買い物なんです」―。東京・秋葉原の喫茶店で話す男性(34)の交際相手は、高校の後輩で図書委員。つぶらな瞳に人気アニメ声優のような声で実にかわいらしい。しかし、彼の言う“彼女”は隣にいない。正確に言えば彼女とは、彼が手にする携帯ゲーム機の画面に映る存在、2次元の平面世界に描かれた少女キャラクターなのだ。
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ネット上で「アッシー」という呼び名を使う関東在住の男性会社員(20)は最近、交際していた女性と別れ、今はアニメの世界に関心が集中している。「彼女とのやりとりが面倒になり、徐々にこっち側に寄ってきて…」と苦笑する。


「現実が嫌とかじゃなくて、実際に付き合う人は『友達以上、恋人未満』がいいんです。あまり干渉されたくないし、セックス的な部分も淡泊なので」と自己分析。「全部受け入れてくれる存在が2次元だった」とアニメへの思いを打ち明ける。
ゲームに限らず、アニメの登場人物や、テレビ・映画のスターなど、実際に会う機会がないことを前提にした相手への恋。特撮ドラマの主人公に夢中という都内勤務の独身女性(34)は「(好きという気持ちの)根本は同じ」と、普通の恋愛と変わらぬ気持ちを語る。
「あこがれとか自分の理想と思っていた人だった。だから好きになる」。しかし「付き合うとか本気で思うわけではないわ。だって画面の中の彼とじゃ結婚できないもの」と笑いながら付け加えた。
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参拝客の男性は「遊びに来たというより(アニメの主人公の)“かがみ”“つかさ”が住む町に帰ってきたという感覚。だから、ただいまって感じです」と話す。例年9万人だった初詣
での参拝客も、今年は42万人にまで増えた。
神社には無数の絵馬が奉納されている。「俺の嫁」と書いた女の子のイラストの脇に「3次元でも彼女ができますように」と書き添えられた絵馬も。3次元は生身の人間の立体世界。イラストを見ていた参拝の男性会社員(33)はつぶやいた。「好きと言っても、しょせんは2次元だから。ふとわれに返りますよ」
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アニメによるまちおこしに当初から取り組んできた鷲宮町商工会の松本真治(まつもと・しんじ)さん(32)と坂田圧巳(さかた・あつし)さん(36)は「こんなに長くキャラクターや鷲宮を愛してくれるとは」とファンを感謝の気持ちで迎えている。「町は2次元と3次元の境界なんです。キャラクターとファン、町民が共存しているんですね。こんな町、なかなかないと思いますよ」と松本さんは笑う。
鷲宮のまちおこしにもかかわってきた人気女性イラストレーター、西又葵(にしまた・あおい)さんは「彼女がいない人でも、キャラクターを好きな気持ちが、気の合う人に興味を持つきっかけになれば」と、ファンの出会いが広がることを期待する。「現実は思い通りにならないけれど、永遠に(2次元に)いる感じでもないでしょう。いずれ恋愛につながる始まりになるのでは」(中村太一郎共同通信記者)


