中国で子どもに代わって親が結婚相手を探し回ったり、定年退職したお年寄りが若者のために結婚仲介に乗り出す動きが目立つ。都市部の公園では親たちが集まり、自分の子どものパートナーを探す光景も定着。適齢期を迎えているのは周囲の愛を一身に受けた「一人っ子」世代。子どもの幸せのためならと親たちは婚活に走り回る。
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「あんたのところは男?女?」―。香港に隣接する中国広


東省深圳市の蓮花山公園。家族連れでにぎわう市民の憩いの場の一角に集まった初老の人たち数十人が声を掛け合う。子どもの結婚相手を探す親たちだ。
「うーん、うちの子のタイプじゃないんだよなあ…」。同市内に住む羅小英さん(55)は長女(25)の写真を見せたが、相手の男性の表情はいまひとつ。「実物はもっとかわいい。今は写真よりもやせたし」とアピールする羅さん。長女は大学を卒業し、外資系の貿易会社に勤務。「婚期を逃した女の子を持つ親が周りにたくさんいる。母親として全力を尽くさないと」と焦る。
息子を持つ親の気持ちも同じ。「大卒、薬品会社勤務、月収1万3千元(約17万3千円)、性格温厚」。33歳の長男の相手を探す唐さん(60)は、長男の履歴書を公園の木に張り付けた。唐さんは「うちの子の条件は申し分ないが、性格がおとなしいので私が動かないと一生相手が見つからないかも、と思う」とこぼす。
親たちが毎日集まるこの場所には私設の「結婚紹介屋」も露店を出す。「当初は親たちの自発的な集まりだけだったが、ひともうけしようという紹介屋が最近になって来るようになった」(近所の住民)らしい。
紹介屋は年代別に分かれた履歴書の冊子を並べる。数十元で会員になれば自分の子どもの履歴書が冊子に加わり、冊子の中の気に入った相手の連絡先を教えてもらえる。紹介屋の女性は「皆、履歴書を見ながら『この子はこんなに収入があるのか』と雑談している。老後の趣味で来ている人も
多い」と話す。
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「外では元気なお年寄りも、家に帰ると子どもの結婚のことで悩み元気がなくなる。なんとかしなくてはいけないと思った」。退職したお年寄りでつくる深圳のボランティアグループは、3月から結婚仲介に乗り出した。登録にくるのは、やはり親たち。登録者数は女性が男性の倍に上る。グループの責任者、張威珍さん(75)らは「登録するのは高学歴で高収入の女性が多く、釣り合う男性がいないのが原因」と分析する。
中国の婚姻問題を研究している天津社会科学院の汪潔(おう・けつ)副研究員によると、親たちの婚活が目立つのは経済の発展している沿海部。若者らの学歴は高く高収入だが、仕事に追われ、相手を探す時間がなかったり、要求が高く、相手がなかなか見つからないからという。
汪氏は1979年から始まった「一人っ子政策」も、婚活の活発化や結婚難の背景にあると指摘。汪氏は「この世代は物質的に豊かな生活を送り、他人を頼りがちで、自意識が高い。相手を見つけられないだけでなく、結婚生活がうまくいかないことも多い」と分析する。
張さんらのボランティアグループの活動はもともと障害者支援や、地域の清掃などの活動が中心。張さんは「当初は結婚仲介なんて真の社会奉仕じゃないという思いもあったが、困っている人たちを救うという意味ではこれも社会のためになることかも」と話す。(渡辺靖仁共同通信記者)


