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 産科医
    

 47コラム
 遺族の感情を優先して考える風潮を戒める判決が8月20日、福島地裁から出た。4年前、帝王切開で出産した女性が手術中に死亡し、それから1年以上たって、担当した医師が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件。判決は無罪だった。 →判決要旨
 医師不足に悩む地域医療。それに追い討ちをかけたのが、この福島の出来事だった。産科医たちの間に「こんな目にあうんじゃ、もうやってられない」と事なかれ主義を呼び起こした。産婦人科医を希望する医学生が減ってしまった。「産婦人科」の看板から「産」を削除し「婦人科」専門のクリニックに転進するドクターも増えた。この判決が、行き過ぎた医療ミス弾劾の流れを考え直すきっかけになればいいと思う。
 確かに遺族の落胆はある。法廷では、亡くなった女性の父親が、無罪と聞いて肩を落としハンカチで目元をぬぐったという。
 しかし、医師が善意の医療行為を尽くしても命を救えないことはある。「それを注意義務違反と言われて罪に問われる時代になったのか」「難しいお産は別の病院に回してしまったほうがいい」--全国の産科医の間に広がる事なかれ主義に歯止めをかけなければいけない。「萎縮医療」などという寂しい言葉は追い払わなければいけない。
 「そもそもメディアにも責任がある」。医師たちの不信と戸惑いは、遺族感情に偏りがちな私たちの報道姿勢にも向いている。(憲)

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http://www.47news.jp/47topics/2008/08/post_129.php
このコラムは秀逸です。

読売オンラインの見出しで
「なぜ事故が」…帝王切開死、専門的議論に遺族置き去り
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080820-OYT1T0037...
となっていました。読売の記者にこのコラムを見せたいものです。なぜ事故がおきたのかは裁判の過程で明白になったと思います。判決要旨も読みましたが、専門的議論の過程でどの証言を採用すべきか不採用とすべきか明らかにされたと思います。専門的議論をせずに「なぜ事故が」と問うのは考えられません。感情でのみ物事を判断するのではなく、論理的に物事を判断する姿勢が必要です。

中医協委員の勝村氏はよくテレビ等の取材で仏壇に線香をあげているところを撮影させています。これなども感情に訴えるだけであって、物事を論理的に判断できなくさせる覚せい剤のようなものだと思います。
このコラムに喝采を送ります。

投稿者 匿名 : 2008年08月20日 18:17

医師です。

関連記事の中で白眉です。
末尾で報道姿勢に言及されており、メディアの矜持を知った思いです。

投稿者 匿名 : 2008年08月20日 19:07

 全くその通りだと思います。

 しかし、惜しむらくは、手遅れです。その反省がなぜもっと早くできなかったのでしょうか?被害者団体の言い分ばかりを一方的に情緒的に報道し続け多くの医師の心を負った罪は、こんなコラムの端っこで述懐しただけでは到底埋まりません。

 日本の医療は、とっくに臨界点を過ぎて終わりつつあります。もう一度言います。手遅れです。

投稿者 匿名 : 2008年08月20日 19:22

報道関係者の中にここまで理解できる方がやっと現れてくださったことに、救いを見出した気持ちです。

投稿者 匿名 : 2008年08月20日 22:04

日本の医療が、法や社会を前にして抱えている問題に、言及して頂けて感謝申し上げます。報道機関の方からのこのようなコメントを拝見できて、少しは救われる気持ちです。これからも探求と理解にご努力を傾けて頂けましたら、望外の幸せです。

投稿者 道標主人 : 2008年08月20日 22:08

遺族の感情を最優先に考慮して何が悪いのか?
弱い患者の命を残酷に奪った医者に厳罰を与えることは警察、検察、裁判所、そしてマスコミの重要な役割であることを忘れている。
我々、弱い国民が金にまみれた日本の医者達に立ち向かって行くには貴社を始めとしたマスコミが毅然とキャンペーンをはり、警察、検察を動かして正義を完遂させるしかないのである。
もう一度、弱者の立場にたってコメントを出してほしい。
そしてこの裁判が高裁において、逆転勝訴となり、可哀想な女性を殺した医者が二度と社会に出てこられなくなるように力を貸してほしい。

投稿者 匿名 : 2008年08月21日 01:20

僭越ながら添削させていただきます。
との文章を<この判決が、検察(捜査当局)の情報に依存したマスコミの行き過ぎた医療ミス(この件では医療ミスではない)弾劾の流れを考え直すきっかけになればいいと思う。>と替えればさらに名文となります。

投稿者 匿名 : 2008年08月21日 01:32

遺族はすぐに「真実」という言葉を出しますが、裁判所が認定した本当の「真実」は「病死した」ということでしょう。決して加藤医師が「犯人」ではありません。彼は明らかに医療過誤冤罪の被害者です。
そろそろ遺族も受け入れて、未来に向かって歩んでいってもらいたい。

投稿者 匿名 : 2008年08月21日 02:09

「行き過ぎた医療ミス弾劾の流れを」という部分ですが、
加藤先生の行った医療がミスであるかのように読めます。
このコラムもしょせん、偏見報道です。
さらに言うと、後出しジャンケンです。

投稿者 匿名 : 2008年08月21日 04:50

サッカーでシュートが放たれ、キーパーが弾きながらもボールがゴールに入ったとき、それはキーパーが点を入れたとは言いませんよね。

それと同じことです。

投稿者 匿名 : 2008年08月21日 12:44

この問題で色々と記事を読みましたが、マスコミの責任まで踏み込んだ記事は、初めて読みます。
もし10年前に大手新聞社がこのような記事を書いてくれたならと思わざるをえません。

目先の現実にとらわれず、丁寧な記事を書いてもらえると嬉しく思います。

投稿者 Jinguzi : 2008年08月26日 16:43


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