【宮崎日日新聞のコラム】 …京都府綾部市は京都市と日本海側を結ぶ要衝の地だが、人口減少と山間部で進む高齢化は、ご多分に漏れない。そんな中山間地共通のハンディを逆手に取り、活性化に生かしたのは四方八洲男市長だ。全国に先駆けた「水源の里」条例を制定、過疎地域の新たな再生の道を探る。
活性化にいかにリーダーの力が大きいか。たとえ高齢化率100%の集落でも、特産物の販売事業に行政が補助金を出す。集落でやる気が増す。いわゆる限界集落以上の悪条件ながら、水源の里のブランドに全国から人が集まる盛況だ。
こんな先進例がモデルだったか。宮崎県が募集していた限界集落など意欲的な集落の名称が「いきいき集落」に決まった。中山間地の「限界集落の呼び方はやめて」の訴えから生まれた新呼称。今後は元気な集落づくりに取り組む地域をネットワーク化し、支援する。…
名称はきっかけになる。県内外からの1800件を超える応募は、中山間地への激励と友情の証しと考えたい。山とその集落は日本人の原郷であり、原風景でもある。それがいま存続の危機にある。あとは県民がサポートする番だ。(10月11日付「くろしお」)全文
■お笑い出身の東国原知事のギャグ的なネーミングの才には定評がある。…全文(宮崎日日新聞 7月13日付「くろしお」)
■限界集落という呼び方をめぐって議論が起きている。「限界」という言葉の持つ響きが絶望的で、荒涼とした地の果てのようなイメージを与える。住んでいる人たちの気持ちを考えると、呼び方を変えるべきではないかとの声が高まっている…全文(山陰中央新報 4月19日付「明窓」)
【47コラム】
日本列島から毎年、集落が消えている。人口減少と高齢化で人々が暮らしを続ける最低限の生活基盤が崩壊し、放棄せざるを得なくなったためだ。65歳以上の高齢者が集落人口の50%を超し、共同体の機能維持が困難になり、消滅寸前となっている集落は「限界集落」と呼ばれている。大野晃長野大教授が1991年に名付けた。
集落は一定の範囲に数戸以上のまとまった人々が暮らす共同体であり、全国に約6万2300ある。終戦後に入植してできた新しいものから千年以上の長い歴史を持つものまで日本の国を形作る細胞みたいな存在だ。
これらの集落のうち現在、限界集落は約7900あり、中山間地に多い。うち422は10年以内に消滅する恐れがある。集落がなくなると山が荒れ、下流では洪水の危険が多くなり、泥が流れ込む海では磯焼けが起きる。棚田の美しい風景が見られなくなり、その地ではぐくまれた食文化や伝統文化も途切れる。
中山間地の集落は国土を保全し、文化を継承する公益的役割を持つ「公共財」と考えるべきだ。条例を作り、限界集落を支援し活性化しようとする自治体も出てきている。集落に人が増え、再生させるさまざまな工夫が求められる。(2008年2月4日、共同通信客員論説委員・田中章)
西日本新聞の連載企画 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12 徳島新聞 4月19日付「鳴潮」 山陽新聞 4月12日付「滴一滴」
河北新報 9月12日「河北春秋」
岐阜新聞 3月21日付「濃飛抄」
宮崎日日新聞 3月17日付「くろしお」
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